令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.33は、山留め(土留め)壁工事において、遮水性が求められる壁体の種類として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、壁が連続しているかどうかで水を止められるかが決まることを分かっているかを問うものです。引っかけの核心は、土を止める工法と水も止める工法を混ぜて並べている点にあります。
親杭横矢板は板を差し込むだけなので、すき間が残ります。
正解:選択肢2
> この論点をやさしく解説:地中電線路の施工とは?引入れの向き・滑落防止・管路の材料を整理
| 選択肢 | 壁体 | 正誤 | 水を止められるか |
|---|---|---|---|
| 1 | 鋼矢板 | 適当 | 継手をかみ合わせて打つので連続する |
| 2 | 親杭横矢板 | 不適当 | 板のすき間から水が入る。土しか止められない |
| 3 | 鋼管矢板 | 適当 | 鋼管どうしを継手でつなぐので連続する |
| 4 | ソイルセメント | 適当 | 土とセメントを混ぜて固めた壁が地中で連続する |
最も不適当なのは選択肢2です。
親杭横矢板の作り方を追うと、なぜすき間が残るのかが分かります。
親杭横矢板のつくり方
H形鋼(親杭)を一定の間隔で打ち込む
↓
掘り進みながら、親杭のフランジの間に横矢板を差し込む
↓
板と板、板と土のすき間は残ったまま
↓
土は止まるが、水は通る
連続していないので、地下水位の高い場所では使えません。使うなら地下水位より上か、水を下げてからになります。
| 壁体 | 遮水性 | 特徴 |
|---|---|---|
| 親杭横矢板 | 無い | 安い。地下水位の低い場所向き |
| 鋼矢板 | 有る | 継手でかみ合う。打込み時の騒音・振動に注意 |
| 鋼管矢板 | 有る | 剛性が高い。深い掘削に使える |
| ソイルセメント | 有る | 現地の土を使う。低騒音・低振動 |
遮水性のある3つは、どれも壁が地中でつながっている点が共通します。つながっていれば水の回り込む道が無くなります。
水が止まらないと、掘削面で次のことが起こります。
水が回り込むと起こること
壁の外から水が入る
↓
水と一緒に土砂も流れ込む(ボイリング・パイピング)
↓
壁の外側の地盤がやせて沈む
↓
近くの道路や建物が傾く
電気工事では、地中電線路の管路や、キュービクルの基礎で掘削することがあります。まわりの状況で工法が変わることを押さえておきます。
親杭横矢板に遮水性が無いのはなぜか。
H形鋼の間に横矢板を差し込むだけで、板と板、板と土のすき間が残るためです。土は止まりますが水は通ります。
山留め壁の遮水が不十分だと何が起こるか。
水と一緒に土砂が流れ込み、壁の外側の地盤がやせて沈みます。近くの道路や建物が傾く恐れがあります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月