令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.34は、水準測量の誤差を減少させる方法として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、前視と後視で同じ誤差を出させて打ち消すという考え方を分かっているかを問うものです。引っかけの核心は、等しくすべき距離を「長くする」と言い換えている点にあります。
距離をそろえるから、引き算のときに誤差が消えます。
正解:選択肢3
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 適当 | 往復して差を見れば、誤差が大きいときに気づける |
| 2 | 適当 | 標尺が傾くと読みが大きく出るので鉛直に立てる |
| 3 | 不適当 | 前視と後視の視準距離は等しくする。長さを変えない |
| 4 | 適当 | 直射日光は器械のゆがみや陽炎の原因になるので避ける |
最も不適当なのは選択肢3です。
水準測量で求めるのは後視と前視の差です。差を取ることが、誤差を消す仕掛けになっています。
視準距離をそろえると誤差が消える理由
高低差 = 後視の読み − 前視の読み
↓
視準線が水平からわずかに傾いていると、読みに誤差が出る
↓
誤差の大きさは距離に比例する
↓
距離が同じなら、後視と前視で同じ量の誤差が出る
↓
引き算のときに打ち消し合う
距離を変えてしまうと、誤差の量が違ってきて残ります。だから「長くする」も「短くする」も誤りです。
| 距離をそろえると消える誤差 | 中身 |
|---|---|
| 視準線の誤差 | 視準線が水平になっていないことによる読みのずれ |
| 地球の丸みの誤差 | 遠くなるほど地面が下がることによるずれ |
| 大気の屈折の誤差 | 光が空気中で曲がることによるずれ |
3つとも距離が伸びるほど大きくなる誤差です。だから距離をそろえるだけで、まとめて打ち消せます。
選択肢1の往復測定は、消すのではなく気づくための方法です。
往復測定でできること
行きと帰りで同じ区間を測る
↓
本来は同じ値になるはず
↓
差が許容範囲を超えていたら、どこかで間違えている
↓
やり直す
選択肢4の直射日光も、外の測量では避けられない問題です。器械が日射で温まると部品がゆがんで視準線が狂います。地面付近の空気がゆらぐ陽炎も読み取りを乱します。
前視と後視の視準距離を等しくすると、なぜ誤差が消えるのか。
誤差の大きさが距離に比例するためです。距離が同じなら前視と後視で同じ量の誤差が出るので、高低差を求める引き算のときに打ち消し合います。
器械を直射日光の当たる場所に置くと何が起こるか。
器械が温まって部品がゆがみ、視準線が狂います。地面付近の空気がゆらぐ陽炎も読み取りを乱します。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月