令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.32は、排水・通気設備に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、通気管が空気の通り道でなければならないことを分かっているかを問うものです。引っかけの核心は、水が流れる管と空気の管を兼用させている点にあります。
雨が降れば雨水立て管は水でふさがり、空気が通らなくなります。
正解:選択肢4
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 適当 | 汚水と雑排水を1本にするのが合流式、別にするのが分流式 |
| 2 | 適当 | 漏れたときに機器を濡らすので電気室の天井部は通さない |
| 3 | 適当 | 管内の圧力変動を緩和し、封水が破られるのを防ぐ |
| 4 | 不適当 | 雨水排水管の立て管と兼用してはならない |
最も不適当なのは選択肢4です。
通気管の役目は、排水管の中の空気を出し入れすることだけです。水が流れる管とは働きが正反対になります。
兼用すると何が起こるか
雨が降る
↓
雨水立て管が水で満たされる
↓
空気の通り道がふさがる
↓
排水管の中の圧力が変わっても逃がせない
↓
トラップの封水が引かれて切れる
封水が切れると、下水の臭気とガスが室内へ上がってきます。トラップの水はそれをふさぐ栓です。
通気管が封水を守る仕組み
上の階で大量に排水する
↓
立て管を水が落ち、あとに負圧ができる
↓
通気管が無いと、その負圧がトラップの水を吸い出す
↓
通気管があれば空気が入り、圧力が戻って封水が残る
| 管 | 通すもの | 兼用 |
|---|---|---|
| 通気管 | 空気 | 排水管・雨水管と兼用しない |
| 雨水排水立て管 | 雨水 | 汚水・雑排水の管とも別にする |
| 排水立て管 | 汚水・雑排水 | 合流式なら1本、分流式なら別々 |
選択肢2の電気室を通さない決まりも、水が漏れたときの被害を考えたものです。電気室で水がかかれば停電や短絡につながります。
電気工事の側から見ると、この選択肢がいちばん現場に近い話になります。配管ルートの打ち合わせで、電気室の上に水の管を通さないと決めておくのが基本です。
通気管を雨水排水立て管と兼用できないのはなぜか。
雨が降ると立て管が水で満たされ、空気の通り道がふさがるためです。圧力を逃がせずトラップの封水が切れます。
排水管を電気室の天井部に通さないのはなぜか。
漏水したときに電気機器を濡らし、停電や短絡につながるためです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月