令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.22は、低圧動力設備に関する記述として、「内線規程」上、不適当なものを選ぶ問題です。低圧進相用コンデンサは個々の負荷の回路ごとに取り付けるものとされています。
この問題は、コンデンサを電動機と一緒に入切するという考え方を分かっているかを問うものです。引っかけの核心は、接続する位置を電源側と負荷側で入れ替えている点にあります。
個々の負荷ごとに付けるなら、コンデンサは手元開閉器より負荷側です。
正解:選択肢1
> この論点をやさしく解説:直列リアクトルは何のために入れるのか?進相コンデンサと放電コイルの役割の違い
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 不適当 | 手元開閉器よりも負荷側に接続する。電源側だと電動機を止めてもコンデンサだけ残る |
| 2 | 適当 | 放電抵抗器付を使う。切ったあとに残る電荷を抜くため |
| 3 | 適当 | 15A分岐回路に接続する単相電動機は過負荷保護装置を省略できる |
| 4 | 適当 | 3.7kWは小さいので始動装置を省略し、全電圧始動でよい |
不適当なのは選択肢1です。
手元開閉器は、その電動機を止めるためのスイッチです。コンデンサをどちら側に付けるかで、開閉器を切ったときの状態が変わります。
| 接続位置 | 開閉器を切ると | 具合 |
|---|---|---|
| 負荷側 | 電動機とコンデンサが一緒に切れる | 正しい |
| 電源側 | 電動機だけ止まり、コンデンサは入ったまま | 進みすぎる |
電源側に付けると何が起こるかを順に追います。
コンデンサだけ残ると起こること
電動機を止めても、コンデンサは電源につながったまま
↓
打ち消す相手(電動機の遅れ電流)が居なくなる
↓
線路の電流が進み過ぎる
↓
電圧が上がる。力率が進み側に振れて損をする
個々の負荷ごとに付ける狙いは、その負荷が動いているときだけ効かせることです。負荷側に付ければ自動でそうなります。
選択肢2の放電抵抗器も、切ったあとの始末の話です。
放電抵抗器が要る理由
コンデンサは開閉器を切っても電荷が残る
↓
端子に触れると感電する。再投入時に突入電流も出る
↓
放電抵抗器を並列に付けておく
↓
切ったあと自動で電荷が抜ける
選択肢4の3.7kWは、全電圧でそのまま始動してよい大きさです。もっと大きい電動機では始動電流が電圧降下を起こすので、スターデルタ始動などで抑えます。
低圧進相用コンデンサを手元開閉器の電源側に付けると何が起こるか。
電動機を止めてもコンデンサだけが電源につながったままになります。遅れ電流を打ち消す相手が居なくなり、線路の電流が進み過ぎて電圧が上がります。
コンデンサに放電抵抗器を付けるのはなぜか。
開閉器を切ってもコンデンサに電荷が残るためです。放電抵抗器で自動的に電荷を抜き、感電や再投入時の突入電流を防ぎます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月