令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.23は、屋内配線の電気方式として用いられる中性点を接地した単相3線式100/200Vに関する記述として、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、電圧を上げると電流が減るという筋を追えるかを問うものです。引っかけの核心は、電圧降下と電力損失を反対向きに動かしている点にあります。
どちらも電流で決まるので、同じ向きに動きます。
正解:選択肢3
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 適当 | 中性線を接地しているので、電圧線と大地の間は100V |
| 2 | 適当 | 電圧線と中性線で100V、電圧線どうしで200V |
| 3 | 不適当 | 電力損失も小さくなる。電流が減るので両方とも減る |
| 4 | 適当 | 中性線が先に切れると、片側に200Vがかかる恐れがある |
不適当なのは選択肢3です。
同じ容量の負荷を200Vで送ると、電流は半分になります。ここから両方の話がつながります。
電流が半分になると
P = VI なので、V が2倍なら I は1/2
↓
電圧降下 v = I×R → 1/2
電力損失 PL = I²×R → 1/4
↓
どちらも減る。片方だけ増えることはない
選択肢3は「電圧降下が小さくなる」までは合っています。そこから電力損失だけを逆向きにしたのが誤りです。
| 項目 | 単相2線式100V | 単相3線式100/200V |
|---|---|---|
| 同じ電力での電流 | 基準 | 1/2 |
| 電圧降下 | 基準 | 小さい |
| 電力損失 | 基準 | 小さい |
| 取り出せる電圧 | 100Vのみ | 100Vと200V |
選択肢4の中性線の話は、単相3線式で最も注意する点です。
中性線が切れると起こること
中性線が断線する
↓
両側の100V負荷が直列につながった形になる
↓
200Vが2つの負荷で分かれる
↓
抵抗の大きいほうに100Vを超える電圧がかかり、焼損する
だから中性線には先に切れる可能性のあるものを入れないという決まりがあります。3極が同時に遮断される場合だけが例外です。
選択肢1の対地電圧も、中性線を接地しているから成り立ちます。200Vを使っていても、大地との間は100Vです。
単相3線式の中性線が断線すると何が起こるか。
両側の100V負荷が直列につながった形になり、200Vが2つの負荷で分かれます。抵抗の大きいほうに100Vを超える電圧がかかって焼損する恐れがあります。
同じ容量の負荷に200Vで供給すると電力損失はどうなるか。
小さくなります。電流が半分になり、電力損失は I²R なので4分の1になります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月