令和4年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.15は、変電設備において無効電力の調整を行うための機器として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、調相設備に何が入るかを分かっているかを問うものです。進みと遅れを足し引きできるものだけです。
中性点接地装置は地絡が起きたときの設備です。
正解:選択肢4(中性点接地装置)
> この論点をやさしく解説:変電所の機器の役割とは?変圧器・電力用コンデンサ・遮断器の違いを整理
> この論点をやさしく解説:配電系統の電圧調整とは?電圧を上げる機器と下げる機器の使い分け
| 選択肢 | 機器 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 分路リアクトル | 適当。進み無効電力を吸収する |
| 2 | 電力用コンデンサ | 適当。遅れ無効電力を補う |
| 3 | 同期調相機 | 適当。進みと遅れの両方に使える |
| 4 | 中性点接地装置 | 不適当。地絡時のための設備 |
最も不適当なのは選択肢4です。
引っかけの核心は、4つとも変電所にある設備で、どれも見慣れた名前なところです。置き場所は同じでも、仕事の種類が違います。
無効電力を調整する設備を調相設備と呼びます。遅れが多ければ進みを足し、進みが多ければ遅れを足すという足し引きをします。
| 機器 | 出せるもの | 使う場面 |
|---|---|---|
| 電力用コンデンサ | 進みだけ | 負荷が重く、電圧が下がるとき |
| 分路リアクトル | 遅れだけ | 軽負荷で、長い線路の電圧が上がるとき |
| 同期調相機 | 進みも遅れも | 界磁電流の加減で連続して調整できる |
中性点接地装置は、変圧器の中性点を大地につなぐための設備です。地絡が起きたときに健全相の電圧が上がりすぎるのを抑え、地絡継電器が働くための電流を流します。
ふだんの運転では中性点に電流はほとんど流れません。無効電力を出したり吸ったりする仕組みを持っていないので、調整には使えません。
同じ論点が平成30年度(後期)No.15にも出ています。そちらは選択肢2が「中性点接地抵抗器」で、これが答えでした。名前を少し変えて同じ場所を狙っています。
選択肢1の分路リアクトルは、夜間など負荷が軽いときに効きます。長い送電線は線路自身が持つ静電容量で進み電流を流し、受電端の電圧を押し上げます。リアクトルで遅れを足して打ち消します。
中性点接地装置は何のための設備か。
地絡が起きたときに健全相の電圧上昇を抑え、地絡継電器を働かせる電流を流すための設備です。無効電力の調整には使えません。
分路リアクトルはどんなときに使うか。
夜間など負荷が軽いときです。長い送電線が流す進み電流で受電端の電圧が上がるので、遅れ無効電力を足して打ち消します。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月