令和4年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.24は、高圧受電設備の変圧器の過負荷保護に関する記述として、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、過負荷保護には検出する仕組みが要ることを分かっているかを問うものです。リアクトルは何も検出しません。
ほかの3つは、電流か温度のどちらかを測っています。
正解:選択肢2
> この論点をやさしく解説:配電線路の保護とは?短絡・地絡それぞれに置く継電器の違いを整理
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 適当 | 一次側にCT+過電流継電器。電流で検出 |
| 2 | 不適当 | リアクトルは電流を制限する部品。検出も遮断もしない |
| 3 | 適当 | 二次側にCT+サーマルリレー。電流で検出 |
| 4 | 適当 | 警報接点付きダイヤル温度計。温度で検出 |
不適当なのは選択肢2です。
過負荷保護とは、定格を超える負荷が続いて変圧器が焼けるのを防ぐ仕組みです。成り立つには2つが要ります。
① 過負荷になっていることを検出する
→ 電流を測る(CT)か、温度を測る(温度計)
② 検出したら何かをする
→ 遮断する、または警報を出す
リアクトルはこのどちらも持っていません。コイルによってリアクタンスを与える受動部品で、電流をいくらか制限しますが、過負荷かどうかを判断もしなければ回路も切りません。
電気設備でリアクトルを使うのは別の目的です。
| リアクトルの種類 | 目的 |
|---|---|
| 直列リアクトル | コンデンサと直列に入れ、高調波の共振を避ける |
| 限流リアクトル | 短絡電流を抑えて遮断器の負担を軽くする |
| 分路リアクトル | 軽負荷時の電圧上昇を抑える |
どれもふだんの運転を整えるためのもので、変圧器の過負荷を守る役目ではありません。
ほかの3つを見ておきます。
選択肢1は一次側での検出です。変流器(CT)で電流を取り出し、過電流継電器が整定値を超えたら遮断器を動かします。高圧側で切るので確実です。
選択肢3は二次側での検出です。低圧側にCTを置き、サーマルリレーで検出します。サーマルリレーはヒータと熱で曲がるバイメタルで動くので、電流が流れ続けた時間も含めて判断できます。変圧器の温度の上がり方に近い動きになります。
選択肢4は温度での検出です。変圧器の油温や巻線温度をダイヤル温度計で測り、決めた温度に達したら接点が閉じて警報を出します。電流を測らず、結果として起きている温度上昇を直接見る方法です。
3つとも測って知らせる、あるいは切るという形になっています。2だけがその流れに入っていません。
リアクトルが過負荷保護にならないのはなぜか。
過負荷かどうかを検出する仕組みも、回路を切る仕組みも持たないからです。リアクタンスを与えるだけの受動部品です。
警報接点付きダイヤル温度計は何を検出するか。
変圧器の油温や巻線温度です。決めた温度に達すると接点が閉じて警報を出します。電流ではなく結果としての温度上昇を直接見ます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月