令和4年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.20は、電気機器のうち一般に高調波が発生しないものを選ぶ問題です。
この問題は、高調波を出すのは電流を切り刻む機器であることを分かっているかを問うものです。コンデンサは切り刻む部品を持ちません。
ほかの3つは、いずれも半導体やアークで電流の波形を崩します。
正解:選択肢4(電力用コンデンサ)
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| 選択肢 | 機器 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | アーク炉 | アークが不安定で電流波形が崩れる |
| 2 | 整流器 | 交流を直流にする。代表的な高調波の発生源 |
| 3 | サイクロコンバータ | 交流の周波数を直接変える。波形を切り貼りする |
| 4 | 電力用コンデンサ | 自分では発生しない。ただし流入は受ける |
発生しないのは選択肢4です。
高調波は、基本波の整数倍の周波数を持つ成分です。電流の波形が正弦波から崩れると生じます。
崩す原因は決まっています。半導体スイッチで電流を切り刻むか、アークのように不安定な放電を使うかです。
電力用コンデンサはどちらも持っていません。電極と絶縁物でできた受動部品で、電圧に応じて電流が流れるだけです。自分から波形を崩すことはありません。
ただし高調波と無関係というわけではありません。コンデンサのリアクタンスは周波数が高いほど小さくなるので、系統に流れている高調波電流を引き寄せます。
さらに、系統のインダクタンスとコンデンサの静電容量が特定の周波数で共振すると、その次数の高調波が拡大されてコンデンサが過熱します。この共振を避けるため、実務では直列リアクトルをコンデンサに直列に入れます。
つまりコンデンサは高調波を出す側ではなく、受ける側・被害を受ける側です。問題文が聞いているのは発生するかどうかなので、答えはコンデンサになります。
ほかの3つを見ておきます。
選択肢1のアーク炉は、電極間のアークで金属を溶かす炉です。アークは長さも状態も刻々と変わるので、電流が不規則になり高調波が出ます。電圧が揺れるフリッカの原因にもなります。
選択肢2の整流器は交流を直流に変えます。交流の一部だけを取り出すので、電流波形が正弦波から大きく外れます。6パルス整流器なら第5次・第7次が目立ちます。
選択肢3のサイクロコンバータは、交流をいったん直流にせず、直接別の周波数の交流に変える装置です。元の波形を切り貼りして目的の波形を作るので、やはり高調波が出ます。
3つに共通するのは電流を連続でなく断続的に流していることです。ここがコンデンサとの違いです。
電力用コンデンサが高調波を発生させないのはなぜか。
電極と絶縁物でできた受動部品で、電流を切り刻む半導体もアークも持たないからです。波形を崩す仕組みがありません。
電力用コンデンサに直列リアクトルを入れるのはなぜか。
系統のインダクタンスとコンデンサが共振して高調波電流が拡大するのを防ぐためです。共振点をずらしてコンデンサの過熱を避けます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月