令和4年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.21は、照明用語に関する記述として、日本産業規格(JIS)上 不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、光束法と逐点法の違いを分かっているかを問うものです。各位置の照度を1点ずつ計算するのは逐点法です。
光束法は面の平均照度を出す方法で、点ごとには求めません。
正解:選択肢3
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 適当 | 室指数。室の形状を表す数値で照明率の計算に使う |
| 2 | 適当 | 保守率。使用後の平均照度と新設時の平均照度の比 |
| 3 | 不適当 | 各位置の直接照度を予測するのは逐点法 |
| 4 | 適当 | 配光曲線。光度を方向の関数として表した曲線 |
不適当なのは選択肢3です。
照度を求める計算方法は大きく2つあります。
| 方法 | 求まるもの | 考え方 |
|---|---|---|
| 光束法 | 作業面の平均照度 | 器具から出る光束の総量を面積で割る。反射光も含む |
| 逐点法 | ある1点の照度 | 配光データから距離と角度で計算する。直接照度が主 |
問題文の「配光測定データを使用して、対象とする作業面内の各位置における直接照度を予測する」は、この表の下の行、逐点法の説明です。
光束法はこれとまったく違います。器具1台の光束、台数、照明率、保守率、床面積から平均照度を1つ出す方法です。
光束法の式
E = (F × N × U × M) ÷ A
E:平均照度〔lx〕 F:器具1台の光束〔lm〕
N:台数 U:照明率 M:保守率 A:面積〔m2〕
この式に位置を表す変数はありません。どこが明るくてどこが暗いかは分からず、平均だけが出ます。事務所のように器具を等間隔に並べる場所の設計に使います。
逐点法は、スポットライトや屋外照明のように、場所によって明るさが大きく変わるときに使います。光度と距離の2乗、入射角から1点ずつ計算します。
ほかの3つを見ておきます。
選択肢1の室指数は、部屋の広さと高さの関係を1つの数値にしたものです。同じ床面積でも天井が高いと光が壁で失われるので、この値から照明率を読み取ります。
選択肢2の保守率は、使っているうちに暗くなる分を見込む係数です。ランプの光束が落ち、器具や壁が汚れるので、新設時より照度が下がります。設計ではあらかじめ割り引いておきます。
選択肢4の配光曲線は、器具から出る光の強さ(光度)が方向によってどう変わるかを描いたものです。逐点法の計算に使うデータがこれです。
光束法で求まるのは何か。
作業面の平均照度です。器具の光束・台数・照明率・保守率・面積から1つの値を出します。位置ごとの明るさは分かりません。
保守率とは何か。
一定期間使用した後の作業面上の平均照度の、新設時に同じ条件で測定した平均照度に対する比です。ランプの光束低下や汚れによる減少を見込む係数です。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月