令和4年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.22は、負荷を接続する分岐回路に漏電遮断器を使用することが最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、止まると困る負荷には漏電遮断器を付けないという考え方を分かっているかを問うものです。消火栓ポンプは火災のときに動くものです。
ほかの3つは、止まっても人命に直結しません。
正解:選択肢3(消火栓ポンプ)
| 選択肢 | 負荷 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 浄化槽 | 水気がある。むしろ漏電遮断器が要る |
| 2 | 冷却塔ファン | 屋外で水を扱う。同上 |
| 3 | 消火栓ポンプ | 火災時に止まると消火できない |
| 4 | 揚水ポンプ | 水を扱う。同上 |
最も不適当なのは選択肢3です。
漏電遮断器は、漏電を見つけたら即座に回路を切る機器です。感電と漏電火災を防ぐために付けます。
ところが消火栓ポンプは、火災という異常事態のときにこそ動かなければならない負荷です。火や水で配線が傷んで漏電が起きたとしても、そこで電源が切れてしまうと消火ができません。
止めることによる被害のほうが、漏電を放置する危険より大きくなります。感電を防ぐ目的より、消火を続ける目的が優先されます。
このため防災用の負荷では、漏電遮断器の代わりに漏電火災警報器を付けて、切らずに知らせる方法をとります。人が状況を見て判断できるようにするという考え方です。
同じ扱いになる負荷はほかにもあります。
| 止まると困る負荷の例 | 理由 |
|---|---|
| 消火栓ポンプ・スプリンクラーポンプ | 火災時に消火できなくなる |
| 非常用照明・誘導灯 | 停電時に避難路が見えなくなる |
| 排煙機 | 煙が排出されず避難できなくなる |
ほかの3つを見ておきます。
選択肢1の浄化槽は、ブロワやポンプが常に水と接する場所にあります。絶縁が落ちやすいので漏電遮断器が要ります。
選択肢2の冷却塔ファンは屋外の設備で、水を循環させながら風を当てます。雨と水しぶきの両方にさらされるので、やはり漏電遮断器を付けます。
選択肢4の揚水ポンプも水を扱う機器です。受水槽から高置水槽へ水を上げる用途で、止まっても直ちに人命に関わりません。
1・2・4は水気があるので漏電遮断器が必要な側で、3だけが付けてはいけない側です。「水を扱うかどうか」だけで選ぶと1・2・4が同じに見えますが、止まったときに何が起きるかで分かれます。
消火栓ポンプに漏電遮断器を付けないのはなぜか。
火災時に漏電で電源が切れると消火できなくなるからです。止めることによる被害のほうが大きくなります。
漏電遮断器を付けない負荷では、漏電にどう備えるか。
漏電火災警報器を設けて、回路を切らずに知らせます。人が状況を見て判断できるようにします。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月