令和7年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.74は、直流電気鉄道における帰線の漏れ電流の低減対策に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
この問題は、漏れ電流が何で決まるかを問うものです。引っかけの核心は大きくする抵抗と小さくする抵抗が別物という点で、帰線抵抗と漏れ抵抗を取り違えないかが分かれ目になります。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(最も不適当な記述)
> この論点をやさしく解説:帰線の漏れ電流とは?電食の起こり方と軽減対策を整理
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 架空絶縁帰線を増やすと電流の通り道が増え、レール電位の傾きが下がる |
| 2 | ○(正しい) | 変電所を増やすと1区間が短くなり、レールを流れる距離が縮む |
| 3 | ×(誤り) | クロスボンドは増やして帰線抵抗を小さくする。減らすと漏れ電流が増える |
| 4 | ○(正しい) | 道床が濡れていると大地へ逃げやすい。排水を良くして漏れ抵抗を上げる |
選択肢3の「クロスボンドを減らし、帰線抵抗を大きくした」という記述が誤りで、帰線抵抗は小さくします。
クロスボンドとは、レールとレールを電気的に結ぶ導線のことです。直流電気鉄道では走行レールを電流の帰り道に使うので、レール相互を結んで電流の通り道を太くします。
漏れ電流は、レールと大地の間に生じる電位差を漏れ抵抗で割った値です。帰線抵抗が大きいとレールの電位が上がって電位差が広がり、大地へ逃げる電流が増えます。クロスボンドを減らすのは、その逆をやることになります。
大きくするのはレールと大地の間の漏れ抵抗で、小さくするのは電流が通るレール側の帰線抵抗です。選択肢4はその漏れ抵抗の話なので、同じ「抵抗を大きく」でも向きが違います。
帰線の漏れ電流を減らすには、帰線抵抗と漏れ抵抗をそれぞれどうするか。
帰線抵抗は小さく、漏れ抵抗は大きくします。電流が通るレール側の抵抗を下げ、大地へ逃げる側の抵抗を上げるという向きです。
クロスボンドは何のために設けるか。
レールとレールを電気的に結んで、帰線の電流の通り道を太くするためです。数を増やすほど帰線抵抗が下がり、レール電位が抑えられます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月