令和7年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.10は、架空送電線における単導体方式と比較した多導体方式の特徴に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
この問題は、多導体方式の基本(等価半径・インダクタンスと静電容量の向き・送電容量・機械的な荷重)を問うものです。なかでも引っかけの核心は送電容量が増えるか減るかで、インダクタンスが小さいという特徴と結びつけられるかが分かれ目になります。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | インダクタンスが小さいぶん送電容量は大きい。「小さい」は誤り |
| 2 | ○(正しい) | 等価半径が大きくなるため静電容量は大きくなる |
| 3 | ○(正しい) | 同じ理由でインダクタンスは小さくなる |
| 4 | ○(正しい) | 電線が増えて表面積が広がるため、風圧や氷雪荷重は大きくなる |
選択肢1の「送電容量が小さい」という記述が誤りで、多導体方式のほうが送電容量は大きくなります。
多導体方式は、1相ぶんの電線を複数本に分けて間隔をあけて並べる方式です。合計の断面積が同じでも、電気的には1本の太い電線とみなせる半径(等価半径)が大きくなるところが要点です。
等価半径が大きくなると、電線のまわりの磁束が減ってインダクタンスは小さくなり、逆に大地や他相との間の静電容量は大きくなります。送電できる電力は線路のリアクタンスが小さいほど大きくなるので、インダクタンスが小さい多導体は送電容量が大きくなります。選択肢3の特徴と選択肢1は同じ原因から出ていて、向きが食い違っています。
電線の表面の電界も緩やかになるため、コロナ放電が起こりにくいという利点もあります。一方、電線とスペーサが増えるぶん、風圧や氷雪の荷重は大きくなります。
合計断面積が同じ単導体と比べて、多導体方式の送電容量はどうなるか。
大きくなります。等価半径が大きくなってインダクタンスが小さくなり、線路のリアクタンスが下がるためです。
多導体方式で、単導体より大きくなるものを挙げよ。
静電容量と送電容量が大きくなります。あわせて風圧や氷雪による荷重も大きくなります。逆に小さくなるのはインダクタンスです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月