令和7年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.9は、架空送電線に近接している通信線への電磁誘導電圧に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
この問題は、電磁誘導電圧の基本(発生する原因・大きさを決めるもの・軽減の手立て)を問うものです。なかでも引っかけの核心は平行する長さとの関係の向きで、比例か反比例かを取り違えていないかが分かれ目になります。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当な記述)
> この論点をやさしく解説:電磁誘導障害とは?発生の仕組みと軽減対策の向きを整理
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 平行する長さには比例する。「反比例」は誤り |
| 2 | ○(正しい) | 導電率の高い架空地線は遮蔽の働きをするため、誘導電圧は小さくなる |
| 3 | ○(正しい) | 地絡故障や各相の負荷電流の不平衡があると、打ち消し合わずに発生する |
| 4 | ○(正しい) | 各相と通信線との相互インダクタンスが不平衡だと打ち消しが崩れて発生する |
選択肢1の「平行する長さに反比例する」という記述が誤りで、正しくは平行する長さに比例します。
電磁誘導電圧は、送電線の電流が作る磁束が通信線を横切ることで生じます。並んで走っている区間が長いほど、通信線が受ける磁束の変化は積み重なります。
式で書くと、電磁誘導電圧は相互インダクタンス・電流・平行する長さの積で決まります。長さは掛け算の側にあるので、長いほど誘導電圧は大きくなります。問題文の「反比例」は関係の向きが逆です。
対策も、この向きから素直に出てきます。並走する区間を短くする、離隔をとる、遮蔽の働きをする架空地線を入れる。どれも磁束の受け取りを減らす手立てです。
架空送電線と通信線が平行する区間が長くなると、電磁誘導電圧はどうなるか。
大きくなります。電磁誘導電圧は相互インダクタンス・電流・平行する長さの積で決まるため、長さに比例します。
導電率の高い架空地線を設置すると、通信線への電磁誘導電圧はどうなるか。
小さくなります。架空地線に流れる電流が送電線の磁束を打ち消す遮蔽の働きをするためです。導電率が高いほどこの効果は大きくなります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月