令和7年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.6は、力率を改善するために必要な進相コンデンサの容量を求める問題です。この問題では、4つの選択肢の中から、正しい値を選びます。
この問題は、力率改善の基本(有効電力・無効電力・力率の関係)を問うものです。なかでも引っかけの核心はコンデンサの容量が無効電力の差だという点で、改善後の無効電力そのものと取り違えないかが分かれ目になります。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(正しい値)
問題で与えられた値を整理します。有効電力は改善の前後で変わりません。
有効電力 P = 1200 kW(改善前も後も同じ)
改善前の力率 cosθ1 = 0.6/改善後の力率 cosθ2 = 0.8
無効電力は Q = P × tanθ で求めます。tanθ は sinθ ÷ cosθ なので、力率から sinθ を出します。
改善前:cosθ1 = 0.6 なら sinθ1 = 0.8。tanθ1 = 0.8 ÷ 0.6
Q1 = 1200 × 0.8 ÷ 0.6 = 1600 kvar
改善後:cosθ2 = 0.8 なら sinθ2 = 0.6。tanθ2 = 0.6 ÷ 0.8
Q2 = 1200 × 0.6 ÷ 0.8 = 900 kvar
進相コンデンサが受け持つのは、この2つの差です。
Q = 1600 − 900 = 700 kvar
選択肢3の「700 kvar」が正しい値ということです。
引っかけは改善後の無効電力900をそのまま答えることです。900 kvarは選択肢4にあります。コンデンサが打ち消すのは減った分ということです。
有効電力1200 kW・力率0.6の三相負荷を、力率0.8に改善するために必要な進相コンデンサの容量はいくらか。
改善前の無効電力は 1200 × 0.8 ÷ 0.6 = 1600 kvar、改善後は 1200 × 0.6 ÷ 0.8 = 900 kvar です。差を取って 1600 − 900 = 700 kvar となります。
力率を改善したとき、有効電力と無効電力はそれぞれどうなるか。
有効電力は変わりません。進相コンデンサが遅れの無効電力を打ち消すため、無効電力だけが減ります。その結果、皮相電力も小さくなります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月