令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.72は、低圧屋内配線におけるケーブルラックの施工に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、両面形ケーブルラックがどんな形かを分かっているかを問うものです。背中合わせに2面のトレイを持つ形で、垂直に立てて使います。
水平に寝かせると、下側の面にケーブルを載せられません。
正解:選択肢2(両面形ケーブルラックを水平に施設した)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 鋼製の水平支持間隔を2m | 2m以下。適当 |
| 2 | 両面形を水平に施設 | 垂直に立てて使うもの。不適当 |
| 3 | 湿気のある場所にアルミニウム合金製 | さびに強い。適当 |
| 4 | 鋼製の直線30mごとに伸縮継手金具 | 温度変化への対応。適当 |
不適当なのは選択肢2です。
引っかけの核心は、「狭隘な場所なので」という理由が付いていて、省スペースのために選んだように読めるところです。置き方がその形の使い道と合っていません。
両面形ケーブルラックは、1本の親桁の両側にトレイが付いた形です。垂直に立てると、壁側と手前側の2面にケーブルを分けて載せられます。電気シャフトのように縦方向へ大量のケーブルを通す場所で、限られた幅を有効に使えます。
これを水平に寝かせると、上向きの面にしかケーブルを置けません。下側の面は使えないので、両面形にした意味がなくなります。水平に敷くなら片面形を使います。
| 形式 | 施設の向き | 使う場所 |
|---|---|---|
| 片面形 | 水平 | 天井裏やピットなど、横方向の配線 |
| 両面形 | 垂直 | 電気シャフトなど、縦方向に多くのケーブルを通す場所 |
選択肢1の支持間隔と選択肢4の伸縮継手は、平成25年度 No.64で確認できます。そこには「支持間隔は、水平では2m以下、垂直では3m以下とし、EPSでは6m以下で各階支持とした。」と「温度変化が著しい場所では、30mごとに伸縮継手金具を用いた。」という選択肢があり、どちらも誤りとされませんでした(公表正答は4)。今回の選択肢1・4と同じ内容です。
伸縮継手を入れるのは、金属が温度で伸び縮みするからです。長い直線区間をつなぎっぱなしにすると、夏と冬で長さが変わり、支持部に力がかかります。途中で伸縮を逃がす継手を入れておきます。
選択肢3のアルミニウム合金製は、湿気のある場所に向きます。表面に酸化被膜ができてそれ以上さびが進まないためです。鋼製なら溶融亜鉛めっきなどの防食処理をします。ただしアルミは鋼より柔らかいので、支持間隔は鋼製より短くします。
両面形ケーブルラックはどの向きで使うか。
垂直です。両側の面にケーブルを分けて載せられるので、電気シャフトなど縦方向の配線に使います。水平では下の面が使えません。
ケーブルラックに伸縮継手金具を入れるのはなぜか。
金属が温度で伸び縮みするためです。長い直線をつなぎっぱなしにすると支持部に力がかかるので、途中で伸縮を逃がします。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月