令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.55は、建設工事における施工計画に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。この問題から選択肢が5つになる応用能力問題です。
この問題は、2つの施工計画書のどちらが先かを分かっているかを問うものです。全体を決める総合施工計画書が先で、工種別はそれに基づいて作ります。
選択肢2は順序を逆に書いています。
正解:選択肢2(総合施工計画書は工種別施工計画書に基づき作成)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 仮設計画書は火災予防や盗難防止を考慮 | 仮設で考えること。適当 |
| 2 | 総合施工計画書は工種別に基づき作成 | 順序が逆。不適当 |
| 3 | 施工図作成予定表は機器製作期間を考慮 | 前工程から逆算する。適当 |
| 4 | 官公庁届出書類の一覧表に提出先等を記載 | 漏れを防ぐ。適当 |
| 5 | 実行予算書は着工前に見積書を基に作成 | 実行可能な数量と価格。適当 |
不適当なのは選択肢2です。
引っかけの核心は、細かいところを積み上げて全体ができると考えると、逆の順序でも筋が通って見えるところです。施工計画は全体の方針を先に決めてから細部へ下ろします。
| 順序 | 計画書 | 書く内容 |
|---|---|---|
| 先 | 総合施工計画書 | 工事全体の方針、工程、体制、仮設、安全 |
| 後 | 工種別施工計画書 | 工種ごとの具体的な手順、施工要領、使う材料 |
総合施工計画書は、その工事をどう進めるかの大枠です。工期、施工体制、仮設の配置、安全衛生の方針といった、全体にかかわることを決めます。
工種別施工計画書は、その大枠の中で個々の工事をどうやるかを書きます。先に全体の工程が決まっていないと、個々の工種をいつやるか決められません。だから総合が先です。
選択肢1の仮設計画は、工事のために一時的に設ける設備の計画です。仮設事務所、仮設電源、資材置場などを決めます。材料や工具が置いてあるので盗難、火気を使う作業があるので火災と、どちらも仮設で考えるべきことです。
選択肢3の施工図作成予定表は、いつまでに施工図を仕上げるかの計画です。施工図が承認されてから機器を発注し、製作して、現場に納まります。機器の製作に3か月かかるなら、据付の3か月以上前に施工図を仕上げなければ間に合いません。だから施工時期と製作期間から逆算します。
選択肢4の官公庁届出書類の一覧表は、提出漏れと期限遅れを防ぐためのものです。届出の種類は多く、提出先も警察署、消防署、労働基準監督署、電力会社などに分かれます。誰がいつどこへ出すかを一覧にしておきます。
選択肢5の実行予算書は、実際に工事を進めるための予算です。契約金額そのままではなく、見積書を基に、実行できる数量と価格を積み直します。着工前に作り、これを基準に原価を管理します。
総合施工計画書と工種別施工計画書はどちらを先に作るか。
総合施工計画書が先です。工事全体の方針や工程を決めてから、工種別の具体的な手順を作ります。
施工図作成予定表で機器製作期間を考えるのはなぜか。
施工図が承認されてから機器を製作するためです。据付の時期から製作期間を差し引いて、施工図の期限を決めます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月