令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.35は、中央監視制御の伝送端末装置と現場機器との入出力条件に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、信号の形と測る対象の対応を分かっているかを問うものです。パルスは積み上げていく量に使い、今いくつかを知りたい量には使いません。
電流は今の値を知りたい量なので、アナログ信号です。
正解:選択肢3(電流の計測を無電圧パルス信号とした)
> この論点をやさしく解説:中央監視制御の入出力条件とは?接点・アナログ・パルス信号の使い分けを整理
| 選択肢 | 用途 | 信号 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 1 | 発停制御 | 瞬時接点信号 | 押しボタンと同じ。適当 |
| 2 | 状態・故障の監視 | 無電圧連続接点信号 | 続いている状態を表す。適当 |
| 3 | 電流の計測 | 無電圧パルス信号 | アナログ信号を使う。不適当 |
| 4 | 電力量の計量 | 無電圧パルス信号 | 積み上げる量。適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、選択肢3と4がどちらも電気の量を測っていて、信号も同じ無電圧パルスと書かれているところです。違うのは「計測」か「計量」かです。
| 言葉 | 知りたいこと | 使う信号 |
|---|---|---|
| 計測 | 今いくつか(電流・電圧・温度) | アナログ信号(4〜20mAなど) |
| 計量 | 合計でどれだけか(電力量・水量) | パルス信号 |
パルス信号は、決まった量が過ぎるたびに1回接点を閉じる形です。たとえば1kWhごとに1パルスを出せば、受け取った側は数を数えるだけで電力量が分かります。積み上がっていく量にはこの形が向きます。
しかし電流は積み上がりません。今この瞬間に何アンペア流れているかを知りたいので、値の大きさをそのまま表せる信号が要ります。だから4〜20mAのような連続した電流値で送ります。パルスの数では、今の値を表せません。
選択肢1の発停制御は、機器を動かす側の信号です。瞬時接点信号は、押しボタンを押したときのように短く1回だけ閉じる信号で、起動と停止の指令に使います。閉じっぱなしにする必要がないのは、現場側に自己保持の回路があるからです。
選択肢2の状態・故障の監視は、逆に続いている状態を知りたいので連続接点信号です。運転中はずっと閉、停止中はずっと開という形にすれば、いつ見ても今の状態が分かります。
| 信号の形 | 向く用途 |
|---|---|
| 瞬時接点信号 | 発停の指令。押しボタンと同じ使い方 |
| 連続接点信号 | 運転・停止・故障といった状態の監視 |
| パルス信号 | 電力量・水量など積算する量の計量 |
| アナログ信号 | 電流・電圧・温度など、今の値を知りたい計測 |
「無電圧」というのは、接点そのものに電圧がかかっていない形式のことです。受け取る側が電圧をかけ、接点が閉じたかどうかで判断します。現場側と中央側で電源が分かれるので、余計な電圧が回り込みません。
電流の計測にパルス信号が使えないのはなぜか。
電流は積み上がる量ではなく、今この瞬間の値を知りたい量だからです。値の大きさをそのまま表せるアナログ信号を使います。
発停制御と状態監視で信号の形が違うのはなぜか。
発停は1回きりの指令なので瞬時接点、状態は続いている情報なので連続接点を使います。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月