令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.30は、図に示す変圧器で構成される高圧受電設備の設備不平衡率として、「高圧受電設備規程」上、正しいものを選ぶ問題です。
この問題は、何と何を比べる式なのかを分かっているかを問うものです。分子は線間ごとの単相容量の最大と最小の差、分母は総設備容量の3分の1です。
三相変圧器は分子には入らず、分母の総容量にだけ入ります。
正解:選択肢2(20%)
| 変圧器 | 容量 | つながる線間 |
|---|---|---|
| 三相 | 500kVA | 3線すべて(分子には入らない) |
| 単相 | 100kVA | 1つ目の線間 |
| 単相 | 100kVA | 2つ目の線間 |
| 単相 | 50kVA | 3つ目の線間 |
3台の単相変圧器は、それぞれ別の線間につながっています。
設備不平衡率の式は次のとおりです。
三相3線式の設備不平衡率
設備不平衡率 = (各線間に接続される単相負荷総設備容量の最大と最小との差) ÷ (総負荷設備容量の1/3) × 100 [%]
まず分母を出します。総設備容量には三相変圧器も入れます。
分母
総設備容量 = 500 + 100 + 100 + 50 = 750kVA
その1/3 = 750 ÷ 3 = 250kVA
次に分子です。線間ごとの単相の容量は100kVA、100kVA、50kVAなので、最大が100kVA、最小が50kVAです。
分子
最大 − 最小 = 100 − 50 = 50kVA
設備不平衡率
50 ÷ 250 × 100 = 20%
答えは選択肢2の20%です。
引っかけの核心は、三相変圧器の500kVAを分子にも入れてしまうところです。三相変圧器は3線に均等につながるので、線間の偏りを作りません。だから分子には関係せず、分母の総容量にだけ効きます。
もう1つの間違いは、分母を総容量そのもの(750kVA)にしてしまうことです。3分の1にするのを忘れると、答えが3分の1の6.7%になります。選択肢に無いので気づけますが、式を覚えていないと迷います。
高圧受電設備規程では、三相3線式の設備不平衡率は30%以下とすることになっています。今回の20%はこれを満たしています。
| 式の部分 | 入れるもの |
|---|---|
| 分子 | 単相だけ。線間ごとに合計して、最大と最小の差をとる |
| 分母 | 三相も単相も全部。その合計の1/3 |
不平衡が大きいと、三相の電圧が相ごとにずれます。三相電動機はこのずれで逆相の電流が流れ、余分に発熱します。だから上限が決められています。
同じ線間に単相変圧器が2台つながっているときは、その線間の容量として合計してから比べます。「変圧器ごと」ではなく「線間ごと」にまとめるのが式の読み方です。
設備不平衡率の分母は何か。
総負荷設備容量の3分の1です。三相変圧器の容量も総容量に含めます。
三相3線式の設備不平衡率の上限はいくつか。
30%以下です。超えると三相の電圧が相ごとにずれ、三相電動機が余分に発熱します。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月