令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.89は、建設業における特定元方事業者が労働災害を防止するために講ずべき措置に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものを選ぶ問題です。
この問題は、安全衛生責任者を選任するのが誰かを分かっているかを問うものです。選任するのは関係請負人で、元請ではありません。
元請が講ずべき措置の一覧に入っていません。
正解:選択肢3(関係請負人の安全衛生責任者の選任を行うとした記述)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 作業間の連絡及び調整 | 正しい。第30条第1項第2号 |
| 2 | 協議組織の設置及び運営 | 正しい。第30条第1項第1号 |
| 3 | 安全衛生責任者の選任 | 誤り。選任するのは関係請負人 |
| 4 | 教育に対する指導及び援助 | 正しい。第30条第1項第4号 |
誤りは選択肢3です。
引っかけの核心は、統括安全衛生責任者との連絡という前半が正しいので、後半の選任まで正しく見えてしまうところです。連絡の話は合っていますが、選任するのは関係請負人自身です。
| 役職 | 選任する人 | 根拠 |
|---|---|---|
| 統括安全衛生責任者 | 特定元方事業者 | 第15条第1項 |
| 元方安全衛生管理者 | 特定元方事業者 | 第15条の2 |
| 安全衛生責任者 | 関係請負人 | 第16条第1項 |
条文は統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものが安全衛生責任者を選任すると書いています。つまり下請の各社が自分で置きます。
置いたあとは、元請に対して遅滞なくその旨を通報します。元請が選ぶのではなく、選んだ結果を伝える流れです。
特定元方事業者が講ずべき措置は6つ定められています。
| 号 | 措置 |
|---|---|
| 1 | 協議組織の設置及び運営を行うこと |
| 2 | 作業間の連絡及び調整を行うこと |
| 3 | 作業場所を巡視すること |
| 4 | 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと |
| 5 | 仕事の工程に関する計画、機械・設備等の配置に関する計画を作成すること等 |
| 6 | 前各号のほか、労働災害を防止するため必要な事項 |
6つとも場をまとめる働きで、人事にあたるものは1つも入っていません。誰かを選任させるという措置は無い、と覚えると迷いません。
選択肢2の協議組織については、特定元方事業者及びすべての関係請負人が参加する点が押さえどころです。一部の下請だけを集めた会議では足りません。
選択肢4は教育そのものを元請が行うのではなく、教育場所の提供など、関係請負人が行う教育を支える立場です。実施の主体は関係請負人にあります。
安全衛生責任者を選任するのは誰か。
統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で、仕事を自ら行うものです。つまり関係請負人が自分で選任し、元請に通報します。
協議組織に参加させるのは誰か。
特定元方事業者及びすべての関係請負人です。一部の下請だけを集めたものでは足りません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月