令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.68は、労働者の危険を防止するための措置に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものを選ぶ問題です。
この問題は、ちょうど基準の値のときにどちらへ入るかを分かっているかを問うものです。投下設備が必要になるのは3m以上なので、3mちょうどは含まれます。
省略できません。
正解:選択肢4(3mなので措置を省略した)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 幅30cmの移動はしごを設けた | 30cm以上が基準。正しい |
| 2 | 掘削深さ1mなので昇降設備を省略 | 1.5m以上で必要。正しい |
| 3 | 高さ2mなので墜落制止用器具の設備を設けた | 2m以上で必要。正しい |
| 4 | 投下する高さ3mなので措置を省略 | 3m以上で必要。誤り |
誤っているのは選択肢4です。
引っかけの核心は、選択肢2で「1mだから省略」が正しく成り立っているので、同じ形の選択肢4も成り立つように見えるところです。基準の値との大小関係が逆です。
| 選択肢 | 基準 | 問題文の値との関係 |
|---|---|---|
| 2(昇降設備) | 1.5m以上 | 1m < 1.5m なので基準に届かない。省略できる |
| 4(投下設備) | 3m以上 | 3m は「以上」に含まれる。省略できない |
「以上」はその値を含みます。3m以上と書かれていれば、3mちょうども対象です。
この論点は令和元年度 1級 No.79で確定しています。そちらの選択肢1は「3mの高所から物体を投下するときに、投下設備を省略した」で、公表正答も1でした。
令和5年度の選択肢4とほぼ同じ文が、別の年度でも同じく誤りと判定されています。
投下設備は、物を落とすときに下にいる人へ当たらないようにする筒や樋です。設備を設けるか、監視人を置くなどの措置が求められます。
高さに関する基準は、いくつも出てきます。
| 場面 | 基準 | 求められること |
|---|---|---|
| 昇降設備 | 1.5m以上 | 安全に昇り降りできる設備を設ける |
| 墜落制止用器具の取付設備 | 2m以上 | 作業床を設けるか、器具を取り付ける設備を設ける |
| 投下設備 | 3m以上 | 投下設備を設け、監視人を置く等 |
数字が1.5・2・3と並んでいるので、どの場面がどの値かを組にして覚えます。混ぜて出題されるのはここです。
選択肢1の移動はしごは、幅の基準です。30cm以上と定められているので、30cmちょうどでも満たします。
移動はしごには、ほかにも決まりがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 幅 | 30cm以上 |
| 構造 | 丈夫で、著しい損傷や腐食がないこと |
| 滑り止め | 転位を防ぐために必要な措置を講じること |
選択肢3は、高さ2mの箇所での作業です。2mは2m以上に含まれるので、設備を設けたのは正しい対応です。
物体を投下するとき、投下設備等の措置が必要になる高さは。
3m以上です。3mちょうども「以上」に含まれるので省略できません。
掘削深さ1mで作業員昇降用の設備を省略できるのはなぜか。
昇降設備が必要になるのは1.5m以上で、1mはそれに届かないためです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月