令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.62は、品質管理に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。応用能力問題なので選択肢が5つあります。
この問題は、品質管理が不良を見つける仕事か、起こさない仕事かを分かっているかを問うものです。できてから探すのではなく、作る過程で起こさないようにするのが品質管理です。
予防処置が中心にあります。
正解:選択肢2(予防処置を行う必要はない)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 目標を施工段階で実現する工事管理の項目・方法 | 定義のとおり。適当 |
| 2 | 検出を重視し予防処置は不要 | 予防が中心。不適当 |
| 3 | ステップごとにチェックリストを作り計画的に管理 | 先回りの手段。適当 |
| 4 | 要求する品質と原価のバランスが重要 | 高すぎる品質も問題。適当 |
| 5 | P→D→C→Aのサイクルを回すのが基本 | 管理のサイクル。適当 |
不適当なのは選択肢2です。
引っかけの核心は、検査で不良を見つけるのも品質管理の一部なので、前半だけなら正しく聞こえるところです。誤っているのは後半の「予防処置を行う必要はない」です。
できあがったものを検査して不良を取り除く方法は、次の問題を抱えます。
| やり方 | いつ手を打つか | 問題 |
|---|---|---|
| 検出に頼る | できてから | 作り直す手間と費用がかかる。隠れた部分は直せない |
| 予防を重視する | 作る過程で | やり直しが要らない。品質も費用も両立する |
電気工事では、配管が壁の中に埋まり、ケーブルが天井裏に隠れます。できあがってから不良が見つかっても、壁を壊さなければ直せません。
だから埋まる前に確認することが要点になります。選択肢3のチェックリストは、その確認を漏らさないための道具です。
選択肢5のP→D→C→Aは、管理のサイクルです。
| 段階 | 意味 | 内容 |
|---|---|---|
| P | Plan(計画) | 品質の目標と作り方を決める |
| D | Do(実施) | 決めたとおりに施工する |
| C | Check(確認) | 目標どおりかを確かめる |
| A | Action(処置) | ずれていたら直し、次の計画へ反映する |
このAが次のPにつながることで、同じ失敗を繰り返さないしくみになります。検出だけで終わると、AからPへ戻る流れが生まれません。
選択肢4のバランスは、品質を上げすぎることも問題だという考え方です。
要求されている品質を大きく超えるものを作れば、その分の材料費や手間が余計にかかります。発注者が求めた性能を、必要な費用で確実に満たすのが目標です。
選択肢1は、品質管理という言葉の定義です。品質計画で決めた目標を、施工の段階で実現するための項目や方法を指します。計画があって初めて管理ができる、という順序が読み取れます。
品質管理で検出より予防が重視されるのはなぜか。
できてから見つけても作り直しに手間と費用がかかり、壁の中や天井裏に隠れた部分は直せないためです。作る過程で起こさないようにします。
品質と原価のバランスが重要なのはなぜか。
要求された品質を大きく超えるものを作れば、その分の材料費や手間が余計にかかるためです。必要な費用で確実に満たすのが目標です。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月