令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.58は、建設工事における仮設計画に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。No.58からNo.63は施工管理法の応用能力問題で、選択肢が5つあります。
この問題は、ガードを省略できる条件があるかを分かっているかを問うものです。仮設の配線につないだ架空つり下げ電灯には、高さに関係なくガードが要ります。
規則に高さの例外は書かれていません。
正解:選択肢4(2.3mに設置したのでガードを省略)
> この論点をやさしく解説:事業用電気工作物と自家用電気工作物は何が違うのか?電気事業法の区分を条文で整理
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 仮設通路は1.8m以内に障害物なし | 頭がぶつからない高さ。適当 |
| 2 | 出力10kWの発電機で電気主任技術者を選任 | 10kW以上は事業場になる。適当 |
| 3 | 通路を横断するので架空配線とする | 車両の通過で傷つけない。適当 |
| 4 | 2.3mなのでガードを省略 | 省略できない。不適当 |
| 5 | 建物内幹線は移設の支障が少ない場所で立上げ | 工事の進捗を考える。適当 |
不適当なのは選択肢4です。
引っかけの核心は、2.3mという高さが手を伸ばしても届きにくい値なので、それなら安全だと思わせるところです。労働安全衛生規則には、高さで省略してよいという定めがありません。
ガードは、電球が割れるのを防ぐための金属の枠です。
| 対象 | 求められること |
|---|---|
| 移動電線に接続する手持型電灯 | ガードを取り付ける |
| 仮設の配線または移動電線に接続する架空つり下げ電灯 | ガードを取り付ける |
電球が割れると、中のフィラメントが露出して感電するおそれがあります。ガラスの破片が落ちる危険もあります。
つり下げ電灯は、資材を運ぶときに長い材料の先が当たることがあります。2.3mでも、脚立や資材を持ち上げれば届く高さです。
選択肢1の1.8mは、仮設通路の高さの目安です。人の背丈より少し高いところまで障害物がないようにして、頭をぶつけないようにします。
選択肢2は、電気事業法の話です。
| 出力 | 扱い | 電気主任技術者 |
|---|---|---|
| 10kW以上 | 事業用電気工作物 | 選任が必要 |
| 10kW未満 | 一般用電気工作物 | 不要 |
出力10kWの発電機は境目にあたり、10kW以上なので事業用電気工作物になります。だから選任する計画は正しいことになります。
選択肢3の架空配線は、通路を横断するときの基本です。床に這わせると車両が踏んで絶縁被覆が傷みます。空中を渡せば踏まれません。
床に置かざるを得ない場合は、防護カバーで覆うなどの措置をとります。
選択肢5は、仮設の配線を計画するときの考え方です。工事は進むにつれて建物の形が変わるので、後から移設や切り回しが必要にならない場所を選びます。
仮設は「一時的なもの」ですが、工事の最後まで使うものは移設しないで済む位置に置くのが計画の要点です。
架空つり下げ電灯のガードを高さで省略できるか。
できません。労働安全衛生規則には高さによる例外がなく、仮設の配線に接続する架空つり下げ電灯にはガードを取り付けます。
工事用の可搬型ディーゼル発電機で電気主任技術者の選任が必要になるのはどこからか。
出力10kW以上です。事業用電気工作物にあたるためです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月