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令和5年度 1級電気工事施工管理技士 No.31を解説、50Aを超えたら1.1倍

令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.31は、負荷ア・イを接続する低圧屋内幹線に必要な許容電流の最小値を求める問題です。

この問題のポイント

この問題は、電動機の合計が50Aを超えるかどうかで係数を選べるかを問うものです。80Aは50Aを超えるので、1.25倍ではなく1.1倍を使います

係数を掛けるのは電動機の分だけです。

正解:選択肢1(148A)

与えられた条件

負荷 定格電流の合計
ア 電動機 80A
イ ヒータ 60A

選択肢1のポイント(正解の求め方)

電技解釈の低圧幹線の規定は、電動機の合計とそれ以外の合計を比べるところから始まります

幹線の許容電流の求め方

IM:電動機等の定格電流の合計/IH:その他の機械器具の定格電流の合計

① IM ≦ IH のとき     IM + IH

② IM > IH で IM ≦ 50A 1.25 × IM + IH

③ IM > IH で IM > 50A 1.1 × IM + IH

この問題は IM=80A、IH=60A です。80 > 60 なので①ではなく、80 > 50 なので③を使います。

計算

1.1 × 80 + 60 = 88 + 60 = 148A

引っかけの核心は、50Aという境目を見落として1.25倍を使ってしまうところです。1.25×80+60=100+60=160A となり、選択肢3にその値が用意されています

選択肢 どう出た値か
1 148A 1.1×80+60。正しい
2 154A 1.1×(80+60)。合計に係数を掛けた
3 160A 1.25×80+60。50Aの境目を見落とした
4 175A 1.25×(80+60)。両方を間違えた

選択肢2と4は、合計の140Aに係数を掛けた形です。係数を掛けるのは電動機の分だけで、ヒータには掛けません。

係数を掛ける理由は、電動機の始動電流にあります。

負荷 係数 理由
電動機 1.1または1.25 始動時に定格を超える電流が流れる
ヒータなど 1.0 定格電流をそのまま流すだけ

電動機の合計が大きくなるほど全部が同時に始動する確率は下がるので、係数は1.25から1.1へ小さくなります。50Aがその境目です。

電動機の合計がその他より小さいとき(①)は、係数を掛けません。始動電流が流れても、他の負荷の分に対して割合が小さいためです。

覚え方

  • 係数を掛けるのは電動機だけ。ヒータはそのまま足す
  • 電動機がその他以下なら係数なし。超えていたら50A以下で1.25倍、50A超で1.1倍
  • 台数が多いほど同時始動しにくいので係数は小さくなる

理解度チェック

Q.

電動機の定格電流の合計が50Aを超えるとき、係数はいくつか。

1.1です。50A以下なら1.25、電動機の合計がその他の機械器具以下なら係数を掛けません。

Q.

係数をヒータの分にも掛けてよいか。

掛けません。係数は電動機の始動電流を見込んだものなので、電動機の合計にだけ掛けます。

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参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定問題(午前の部)」「同 正答肢」
  • 電気設備の技術基準の解釈 第148条(低圧幹線の施設)
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