令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.14は、金属の電解析出に関する文章に該当する用語として、最も適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、陽極に何を置いて、何を得ようとしているかで用語を見分けられるかを問うものです。陽極が不純物を含む金属板で、目的が高純度の金属なら電解精錬です。
4つとも電気分解を使う技術なので、目的で切り分けます。
正解:選択肢2(電解精錬)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 陽極 | 不純物を含む金属板 |
| 溶液 | その金属イオンを含む |
| 陰極 | 純金属が析出する |
| 得られるもの | 高純度の金属 |
引っかけの核心は、4つとも「陽極と陰極を溶液に入れて電流を流す」という同じ形をしているので、装置の説明だけでは区別できないところです。見るのは何を目的物として取り出すかです。
| 用語 | 目的物 | 内容 |
|---|---|---|
| 電鋳 | 析出した金属そのもの | 型の上に厚く析出させ、はがして製品にする |
| 電解精錬 | 高純度の金属 | 粗金属を陽極、純金属を陰極にして純度を上げる |
| 電解研磨 | 磨かれた表面 | 品物を陽極にして表面を溶かし、滑らかにする |
| 電気めっき | 被膜の付いた品物 | 品物を陰極にして、別の金属の膜を付ける |
電解精錬でよく知られているのが銅です。粗銅を陽極、純銅の薄板を陰極にして硫酸銅溶液の中で電流を流します。銅より溶けやすい鉄や亜鉛は溶液に溶けたまま残り、銅より溶けにくい金や銀は陽極の下に沈みます。
この沈んだものを陽極泥といい、金や銀を回収する材料になります。純度99.99%の電気銅ができるのは、この仕組みのためです。
選択肢1の電鋳は、析出させた金属を型からはがして、それ自体を製品にする方法です。めっきと同じ装置ですが、めっきは膜を品物に付けたまま使い、電鋳ははがして使います。
選択肢3の電解研磨は、品物を陽極にします。表面の出っ張った部分ほど電流が集中して先に溶けるので、平らになります。めっきや電鋳とは電極が逆です。
選択肢4の電気めっきは、品物を陰極にして表面に金属の膜を付けます。溶液には付けたい金属のイオンが入っています。
| 用語 | 品物を置く極 | 品物はどうなるか |
|---|---|---|
| 電解研磨 | 陽極 | 溶けて減る |
| 電気めっき | 陰極 | 膜が付いて増える |
陽極では金属が溶け、陰極では金属が析出します。この向きさえ押さえれば、品物をどちらに置くかで用語を絞れます。
電解精錬で、陽極と陰極に何を置くか。
陽極に不純物を含む粗金属、陰極に純金属の薄板を置きます。陰極に高純度の金属が析出します。
電解研磨と電気めっきで、品物を置く極はどう違うか。
電解研磨は陽極に置いて表面を溶かし、電気めっきは陰極に置いて膜を付けます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月