令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.5は、自動制御に関する記述として「日本産業規格(JIS)」上、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、開ループ制御と閉ループ制御の違いを分かっているかを問うものです。フィードバックがあるのが閉ループ、無いのが開ループです。
選択肢1は名前と中身が入れ替わっています。
正解:選択肢1(開ループ制御をフィードバックのある制御とした記述)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 開ループ制御の説明 | 不適当。これはフィードバック制御の定義 |
| 2 | フィードフォワード制御 | 適当。JISの定義どおり |
| 3 | PID制御 | 適当。比例・積分・微分の3動作 |
| 4 | 安定性 | 適当。JISの定義どおり |
不適当なのは選択肢1です。
引っかけの核心は、書かれている説明文そのものは正しい制御の定義なので、読んでいて違和感が出ないところです。その定義が付いている名前が違います。
| 用語 | JISの定義 |
|---|---|
| フィードバック制御 (閉ループ制御) |
フィードバックによって制御量を目標値と比較し、それらを一致させるように操作量を生成する制御 |
| 開ループ制御 | フィードバックループがなく、制御量を考慮せずに操作量を決定する制御 |
| フィードフォワード制御 | 目標値、外乱などの情報に基づいて、操作量を決定する制御 |
問題文の選択肢1は、フィードバック制御の定義をそのまま持ってきて、名前だけ開ループ制御に差し替えた形です。
開ループ制御は結果を見ないで動かす制御です。電気ストーブを強で30分だけつける、洗濯機を決められた時間だけ回すといった動きがこれにあたります。
部屋が暑くなりすぎても、開ループ制御は気づきません。制御量を測って比べる経路がないからです。
これに対して閉ループ制御は、温度計で室温を測り、設定温度と比べて出力を上げ下げします。測って比べて直すという輪が閉じているので閉ループと呼びます。
選択肢2のフィードフォワード制御は、フィードバックとよく混同されます。結果ではなく、これから来る外乱の情報を先に使う点が違います。
外気温が下がったという情報をつかんだ時点で、室温が下がる前に暖房を強めるのがフィードフォワードです。実際の制御では両方を組み合わせて使います。
選択肢3のPID制御は、比例動作・積分動作・微分動作の3つを組み合わせたものです。比例だけでは残る定常偏差を積分で消し、変化の速さに応じた先読みを微分が受け持ちます。
選択肢4の安定性は、乱されても元に戻る性質です。制御系の良し悪しを見るとき、まず安定であることが前提になります。
開ループ制御とはどんな制御か。
フィードバックループがなく、制御量を考慮せずに操作量を決定する制御です。結果を測って比べる経路がありません。
フィードフォワード制御はフィードバック制御と何が違うか。
結果である制御量ではなく、目標値や外乱などの情報に基づいて操作量を決める点です。乱れが出る前に手を打ちます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月