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数値が多すぎて、どれがどの場面のものなの?
0.4メガオームで良好っていう肢も、正しいの?
この記事の要点
有線電気通信設備とは、電話やデータを送るための通信線とその支持物などの設備のことです。
規定の多くは、通信線を強い電気から守るためのものです。強電流電線に近づけば誘導を受け、触れれば危険な電圧が通信線に乗ります。
だから数値は絶縁抵抗・接地抵抗・離隔距離の3つに集まります。離隔距離は、相手が何かで変わります。
通信線は弱い電気を扱うので、強い電気から距離を取る必要があります。
数値の基準は、その距離の取り方と、絶縁が保てているかの確認に分かれます。
出題に出てくる数値を並べると、次のようになります。
| 何の数値か | 基準 | 根拠 |
|---|---|---|
| 屋内電線と大地の間の絶縁抵抗 | 1メグオーム以上(直流100Vで測定) | 設備令 第17条 |
| 第一種保護網の接地抵抗 (特別保安接地工事) |
10オーム以下 | 施行規則 第8条 |
| 第二種保護網の接地抵抗 (保安接地工事) |
100オーム以下 | 施行規則 第8条 |
| 保護網と架空電線の垂直離隔距離 | 60センチメートル以上 | 施行規則 第8条第2項 |
| 屋内電線と屋内強電流電線(低圧) | 10センチメートル以上 | 施行規則 第18条 |
| 屋内電線と屋内強電流電線(高圧) | 15センチメートル以上 | 施行規則 第18条第2項 |
| 架空電線と強電流ケーブル(低圧) | 30センチメートル | 出題(15cmは誤り) |
| 架空電線と強電流ケーブル(高圧) | 40センチメートル | 出題 |
| 架空電線と他人の建造物 | 40センチメートル | 出題 |
| 地中電線と地中強電流電線 | 30センチメートル (7,000V超は60センチメートル) |
設備令 第14条 |
| 通信回線の線路の電圧 | 100ボルト以下 | 出題 |
離隔距離は相手が強いほど大きくなります。低圧より高圧、地中でも7,000Vを超えれば倍になります。
条文は政令の側にあります。
有線電気通信設備令 第17条(屋内電線)
屋内電線(光ファイバを除く。以下この条において同じ。)と大地との間及び屋内電線相互間の絶縁抵抗は、直流一〇〇ボルトの電圧で測定した値で、一メグオーム以上でなければならない。
言い換えると、「小数の値が書いてあれば足りない」ということです。
例えば、平成28年度は0.1MΩ、平成30年度・令和4年度・令和7年度は0.4MΩという数値が並び、いずれも良好と判断した肢が誤りとされました。
4年度とも扱いが食い違っていません。1MΩを下回る数値は、いずれも誤りにされています。
0.4MΩという値は3年度で繰り返し使われています。1MΩの半分以下ですが、数字だけ見ると小さすぎるようには見えません。そこが狙われています。
保護網は施行規則が2種類を定めています。
有線電気通信設備令施行規則 第8条(保護網)
一 第一種保護網 イ 特別保安接地工事(接地抵抗が一〇オーム以下となるように接地する工事をいう。以下同じ。)をした金属線による網状のものであること。
二 第二種保護網 イ 保安接地工事(接地抵抗が一〇〇オーム以下となるように接地する工事をいう。以下同じ。)をした金属線による網状のものであること。
2 一 保護網と架空電線との垂直離隔距離は、六〇センチメートル(工事上やむを得ない場合であつて、第二種保護網については、三〇センチメートル)以上とすること。
令和6年度1級No.75では、「第一種保護網の特別保安接地工事の接地抵抗値が100Ωであったので、良好と判断した」が誤りとされました。
100Ωは第二種保護網の側の数字です。第一種は10Ω以下です。令和2年度1級No.66では「第一種保護網の特別保安接地工事の接地抵抗値を10Ω以下とした」が正しい肢に置かれています。
保護網は、架空電線の上を強電流電線が通るときに、その間に張る金属の網です。強電流電線が切れて落ちてきても、網が受け止めて大地へ流します。受け止めた電気を確実に逃がすため、接地抵抗を小さくしておきます。
第一種のほうが厳しい10Ω以下なのは、それだけ危険度の高い場所に使うためです。
離隔距離は、相手の電圧と場所で分かれます。
同施行規則 第18条(屋内電線と屋内強電流電線との交差又は接近)
一 屋内電線と屋内強電流電線との離隔距離は、一〇センチメートル(屋内強電流電線が強電流裸電線であるときは、三〇センチメートル)以上とすること。…
2 …屋内電線が高圧の屋内強電流電線と交差し、又は同条に規定する距離以内に接近する場合には、屋内電線と屋内強電流電線との離隔距離が一五センチメートル以上となるように設置しなければならない。
有線電気通信設備令 第14条(地中電線)
地中電線は、地中強電流電線との離隔距離が三〇センチメートル(その地中強電流電線の電圧が七、〇〇〇ボルトを超えるものであるときは、六〇センチメートル)以下となるように設置するときは、総務省令で定めるところによらなければならない。
令和2年度2級(後期)No.44は穴埋めで、6.6kVの地中強電流電線との離隔距離が30cm以下となるとき隔壁を設ける、という形が答えになりました。6.6kVは7,000V以下だからです。
1級でも2級でも出ています。引っかけは大きく2つです。
| 年度・級・問 | 誤りとされた記述 |
|---|---|
| 令和6年度 1級 第一次 No.75 | 第一種保護網の特別保安接地工事の接地抵抗値が100Ωであったので、良好と判断した ←② |
| 平成28年度 2級 学科No.44 | 屋内電線と大地間の絶縁抵抗が0.1MΩであったので良好とした ←① |
| 令和7年度 2級 第一次(前期)No.50 | 同じ測定で0.4MΩであったので良好とした ←① |
| 令和2年度 2級 学科(後期)No.44 | 穴埋め。6.6kVの地中強電流電線との離隔距離が〔 〕以下 → 30cm |
屋内電線が高圧の屋内強電流電線と交差する場合の15cmは、規則第18条第2項に定めがあります。低圧の10cmより厳しくなっています。
架空の側は数字が別です。令和2年度1級No.66では、低圧の強電流ケーブルと交差する架空電線の離隔距離を15cmとした肢が誤りとされました。架空で低圧なら30cm、高圧なら40cmです。
絶縁抵抗は1MΩ以上。第一種保護網は10Ω以下です。
混同しやすい語
特別保安接地工事と保安接地工事:前者が10Ω以下で第一種保護網、後者が100Ω以下で第二種保護網です。
10cmと15cm:屋内強電流電線が低圧なら10cm、高圧なら15cmです。
30cmと60cm:地中強電流電線が7,000V以下なら30cm、超えるなら60cmです。
屋内電線と大地との間の絶縁抵抗は、いくつ以上か?
直流100Vで測定した値で1メグオーム以上です。0.4MΩ、0.1MΩはいずれも誤りとされています。
第一種保護網の特別保安接地工事の接地抵抗は、いくつ以下か?
10オーム以下です。100オーム以下は第二種保護網の保安接地工事です。
屋内電線と高圧の屋内強電流電線との離隔距離は、いくつ以上か?
15センチメートル以上です。低圧の場合は10センチメートル以上です。
この用語が問われた過去問
参考資料
328CO0000000131)346M50001000002)※ この記事の法令・出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
離隔距離は、屋内と架空で数字が違います。
屋内電線と屋内強電流電線なら低圧10cm・高圧15cm。ところが架空電線と強電流ケーブルでは低圧30cm・高圧40cmです。令和2年度1級No.66では、低圧の強電流ケーブルとの離隔を15cmとした肢が誤りとされました。屋内の数字を架空に持ち込んだ形です。
どこの話かを先に読みます。屋内か、架空か、地中かで数字が入れ替わります。