平成30年度 地質調査技士 土壌・地下水汚染部門 No.29を解説、ダイオキシン類
平成30年度 地質調査技士資格検定試験 土壌・地下水汚染部門 No.29は、ダイオキシン類に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち最も不適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類は、水に溶けにくく分解しにくい有害物質で、種類(異性体)によって毒性の強さが違います。濃度の表し方・構造・法律で対象とする種類数が問われます。
引っかけの核心は、毒性等量(TEQ)とは何かです。TEQは毒性の強さで換算した値なのに、選択肢2は「ダイオキシン類の総量」としています。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 記述の要旨 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | 無色の固体で水に溶けにくく、揮発しにくく、脂肪などに溶けやすい | ○ |
| 2 | 濃度は毒性等量(TEQ)で表したもので、ダイオキシン類の総量を示したものである | ×(誤り) 正答。毒性で換算した値 |
| 3 | ベンゼン環が酸素で結合し塩素が付いた構造で、塩素の数や位置で数百種に分類される | ○ |
| 4 | 多くの異性体・同族体があり、法(ダイオキシン類対策特別措置法)では29種類を対象とする | ○ |
選択肢1・3・4は、ダイオキシン類の性質や対象を正しく述べています。選択肢2だけが、毒性等量(TEQ)の意味を取り違えています。
選択肢2のポイント(ここが誤り)
ダイオキシン類は、種類(異性体)ごとに毒性の強さが違います。そこで、各異性体の濃度に毒性等価係数(TEF)を掛けて足し合わせ、毒性の強さに換算した値が毒性等量(TEQ)です。
選択肢2は「毒性等量(TEQ)で表したもので、ダイオキシン類の総量を示したもの」としていますが、TEQは毒性の強さで換算した値であって、単純な総量ではありません。
毒性の違う異性体を、毒性をそろえて比べるための値です。
「総量を示したもの」が誤りです。
選択肢2は、ダイオキシン類の記述として最も不適当です。TEQ(毒性等量)は毒性で換算した値(総量ではない)と押さえます。
覚え方
- 毒性等量(TEQ)は、各異性体の濃度に毒性等価係数(TEF)を掛けて足した毒性換算値。総量ではない
- ダイオキシン類は種類ごとに毒性が違うので、毒性をそろえて表す
- 「TEQ=総量」は意味を取り違えた引っかけ
理解度チェック
問題:毒性等量(TEQ)は、ダイオキシン類の総量を示したものである。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
TEQは各異性体の濃度に毒性等価係数(TEF)を掛けて足した、毒性で換算した値です。単純な総量ではありません。
問題:ダイオキシン類対策特別措置法では、29種類のダイオキシン類を対象とする。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
多くの異性体・同族体のうち、法では毒性のある29種類を対象としています(選択肢4は正しい)。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「平成30年度 地質調査技士資格検定試験 土壌・地下水汚染部門 試験問題」
- 環境省ほか(毒性等量(TEQ)は各異性体の濃度に毒性等価係数(TEF)を掛けて合算した毒性換算値。ダイオキシン類対策特別措置法では29種類を対象)
※ ダイオキシン類の詳細は、最新の環境省資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月