トンネルの地質調査は過去問でどう問われる?物理探査主体と膨張性地山の引っかけ
ちしつモグラ
トンネルの調査ってボーリングとどっちが主体なの?膨張性地山って何を調べるの?
この記事の要点
- 山岳トンネルは大部分が地下深部にある。ボーリングは制約が大きく、弾性波探査などの物理探査が主体でボーリングは補完。現技管・現場調査で繰り返し出る。
- 問われ方は「主な調査法」「調査法の選び分け」「膨張性地山の把握項目」に集約できる。
- 最頻の引っかけ=深部だからボーリングが主体とすること。深部が主体だからこそ直接調査に限界があり、物理探査が主体になる。
山岳トンネルは大部分が地下深部を通るので、地表からのボーリングだけでは調べきれず、調査法の組み合わせ方に特徴があります。どの調査が主役になり、どんな地山に注意するかが問われるので、出題例で見ていきます。
過去問でどう問われるか?
トンネルの地質調査は、令和3・6・7年度に現技管・現場調査で問われています。まず、目的ごとに使う調査法を押さえます。
| 知りたいこと | 使う調査 |
|---|---|
| 深部・広い範囲の地質構造 | 弾性波探査などの物理探査(主役) |
| 地盤の変形特性(変形係数) | 孔内載荷試験 |
| 坑門部の土砂の支持層 | 標準貫入試験 |
| 良質なコア | コアビット(メタルクラウン・ダイヤ)※トリコンはノンコアで採れない |
膨張性地山(内空をはらみ出す押出し性・膨潤性の地山。蛇紋岩・温泉余土・泥岩など)では、土被り・変形特性・スレーキング特性を見ます。ここまでをふまえると、引っかけは大きく3パターンです。
- ① 主役の調査法を逆にする……「深部だからボーリングが主体」とする(深部ほど直接調査は制約が大きく、物理探査が主役)
- ② 目的と工具がずれる……良質なコア採取にトリコンビット(ノンコアビットで採れない。コアビットを使う)
- ③ 膨張性地山に軟弱地盤の概念を混ぜる……把握項目に圧密特性を挙げる(圧密は軟弱な粘性土の沈下の話)
| 年度・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| R07 現場調査 No.100 | 「深部だからボーリングなど直接調査が主体」とした → 深部は制約が大きく、物理探査が主役 ←①主役の調査法 |
| R06 現技管 No.23 | 「良質なコア採取にトリコンビット」とした → トリコンはノンコアで採れない。コアビットを使う ←②目的と工具 |
| R03 現技管 No.23 | 膨張性地山で把握すべき項目に「圧密特性」を挙げた → 圧密は軟弱土の話。土被り・変形特性・スレーキングを見る ←③膨張性地山 |
※ 問題番号と正解は、全地連が公開している過去問・正答で確認しています。上の行は該当する過去問解説にリンクしています。
つまり深部は物理探査が主役でボーリングは補完、コアはコアビット、膨張性地山に圧密特性は入らないが核心です。
理解度チェック
問題:山岳トンネルは大部分が地下深部にあることから、ボーリングなど直接的情報の収集が主体となる。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
深部は直接調査に制約があるため、弾性波探査などの物理探査が主体になります。ボーリングは補完です(R07の引っかけ)。
問題:膨張性地山でトンネルを掘るとき、圧密特性は必ず把握すべき調査項目である。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
圧密特性は軟弱な粘性土の沈下にかかわる項目です。膨張性地山では土被り・変形特性・スレーキング特性などを把握します(R03の引っかけ)。
主役の調査法・目的に合う調査・膨張性地山の項目の3点。ここを外さなければ、トンネルの調査の問題は取りこぼしません。
出典・参考資料
- 国土交通省・NEXCO等の道路トンネルの地質・地盤調査要領/膨張性地山(押出し性・膨潤性)に関する応用地質資料。調査法・地山条件は一次資料・専門資料で確認。
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)地質調査技士検定試験(R03・R06・R07 ほか トンネルの地質調査関連問題)。出題番号・正答は全地連公開の過去問・正答番号で照合。
※ 各設問の「問われ方」と引っかけを自分の言葉でまとめています。
※ この記事の確認日:2026年7月