令和4年度(2022年)2級土木施工管理技術検定 第一次検定(後期)No.14は、コンクリートの劣化機構について説明した記述に関する問題です。4つの記述のうち、最も適当でないものを1つ選びます。
劣化機構は、何が入ってきて何が起きるかで区別します。
問われるのは、塩害の説明として書かれた内容が塩害のものかどうかです。
引っかけは、化学的侵食の説明を塩害の名前で出す形で作られています。
※ 問題文そのものは、全国建設研修センターが公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(最も適当でない記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| ⑴ 中性化は、コンクリートのアルカリ性が空気中の炭酸ガスの浸入等で失われていく現象である | ○(正しい) | アルカリ性が失われ鉄筋が腐食しやすくなる |
| ⑵ 塩害は、硫酸や硫酸塩等の接触により、コンクリート硬化体が分解したり溶解する現象である | ×(誤り) | これは化学的侵食の説明。塩害は塩化物イオンが鉄筋の不動態被膜を壊して腐食させる現象 |
| ⑶ 疲労は、荷重が繰り返し作用することでひび割れが発生し、やがて大きな損傷となる現象である | ○(正しい) | 繰り返し荷重で亀裂が進行する |
| ⑷ 凍害は、コンクリート中の水分が凍結し、氷の生成による膨張圧で破壊される現象である | ○(正しい) | 凍結融解の繰返しで組織が脆くなる |
塩害は、飛来塩分や海水に含まれる塩化物イオンがコンクリート内部へ浸透し、鉄筋表面の不動態被膜を壊して腐食させる劣化機構です。
腐食した鉄筋は膨張し、かぶりコンクリートをひび割れさせて剥離させます。
硫酸や硫酸塩等の接触でコンクリート硬化体が分解したり溶解するのは化学的侵食であって、塩害ではありません。
塩害は鉄筋を攻撃する機構、化学的侵食はコンクリートそのものを攻撃する機構という違いがあります。
⑴の中性化、⑶の疲労、⑷の凍害は、いずれも正しい記述です。
代表的な劣化機構を、何が入って何を傷めるかで並べると次のとおりです。
| 劣化機構 | 要因 | 傷めるもの |
|---|---|---|
| 中性化 | 空気中の二酸化炭素 | アルカリ性が失われ、鉄筋が腐食する |
| 塩害 | 塩化物イオン | 鉄筋(不動態被膜を破壊) |
| 化学的侵食 | 硫酸、硫酸塩等 | コンクリート硬化体そのもの |
| アルカリシリカ反応 | 反応性骨材とアルカリ | 骨材周辺(膨張してひび割れ) |
| 凍害 | 凍結融解の繰返し | コンクリートの組織 |
| 疲労 | 繰り返し荷重 | 断面(ひび割れが進行) |
鉄筋を攻めるものとコンクリートそのものを攻めるものに分かれます。
問題:塩害は、硫酸や硫酸塩等の接触によりコンクリート硬化体が分解したり溶解する現象である。
〇か×か。
答え:×
それは化学的侵食です。塩害は塩化物イオンによる鉄筋の腐食です。
問題:中性化は、コンクリートのアルカリ性が空気中の炭酸ガスの浸入等で失われていく現象である。
〇か×か。
答え:〇
アルカリ性が失われると鉄筋が腐食しやすくなります。
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出典・参考資料
※ 問題文は転載していません。劣化機構の分類は標準的な内容で、最新の示方書で確認してください。
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