ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT
  1. HOME > 法規 > 元請負人の義務

元請負人の義務とは?検査は20日以内、下請代金は1月以内、特定建設業者の支払期日は50日以内

けんせつる

けんせつる

下請から「完成しました」と言われたら、検査はいつまで?

「1月以内」と「50日以内」って、どっちが何の話?

この記事の要点

元請負人は、下請負人からの完成通知を受けたら20日以内に検査し、検査後は申出があれば直ちに引渡しを受けます。

下請代金は注文者から支払を受けた日から1月以内、特定建設業者の支払期日は引渡し申出日から50日以内です。

建設業法は、立場の弱い下請負人を守るために、元請負人がやるべきことを定めています。日数の取り違えがそのまま過去問の引っかけになります。

元請負人は、下請負人から工事完成の通知を受けたら20日以内に検査を完了し、検査後に申出があれば直ちに引渡しを受けます。

あわせて、着手前に工程の細目や作業方法について下請負人の意見をきく義務もあります。技術者の専任など技術者制度は主任技術者と監理技術者、下請を一元管理する台帳は施工体制台帳と施工体系図で扱います。

元請負人の義務と期限

「何日以内か」「いつか」が問われます。

義務 内容(建設業法)
意見の聴取(24条の2) 工程の細目・作業方法などを定めるときは、着手前にあらかじめ下請負人の意見をきく
下請代金の支払(24条の3) 注文者から出来形払・竣工払を受けたら、相応する下請代金を受けた日から1月以内に支払う/前払金を受けたら下請に資材購入等の費用の前払いを適切に配慮
検査(24条の4第1項) 完成の通知を受けたら20日以内に検査を完了する
引渡し(24条の4第2項) 検査後、下請負人の申出があれば直ちに引渡しを受ける
特定建設業者の支払期日(24条の6) 引渡しの申出日から50日以内のできる限り短い期間で支払期日を定める

「1月以内」は元請が自分の支払を受けてから下請に払う期限、「50日以内」は特定建設業者が下請の引渡し申出から払う期限です。どちらの起点かで区別します。

3つの日数は「何から数えるか」で分かれる

20日・1月・50日は、数字だけ並べると混ざります。起点がそれぞれ違うので、そこで区別します。

期限いつから数えるか誰の義務か
20日以内に検査下請から完成の通知を受けた日元請負人
1月以内に下請代金を支払う元請が注文者から支払を受けた元請負人
50日以内に支払期日を定める下請の引渡しの申出の日特定建設業者

並びにも意味があります。工事が終わってから代金が下請に届くまでを追うと、次の順に進みます。日数はこの流れの節目ごとに付いているので、順番で覚えると取り違えません。

完成の通知から下請代金の支払までの流れと期限 完成の通知 下請 → 元請 検査の完了 元請が確認 引渡しの申出 申出があれば直ちに引渡し 支払 20日以内に検査 50日以内(特定建設業者) ※「1月以内」だけは別の線=元請が注文者から支払を受けた日から数える
完成の通知から支払までの流れと期限。20日は「完成の通知から」、50日は「引渡しの申出から」で、起点が違います。

いずれの条文にも「かつ、できる限り短い期間内に」と書かれています。20日や50日は上限であって、目標ではありません。ぎりぎりまで待ってよいという意味ではない、というのが法の立場です。

下請を守るための決まりが並んでいる

この章の条文は、ばらばらの決まりではありません。立場の弱い下請負人が代金を取りはぐれないようにするという、ひとつの目的で並んでいます。

  • 労務費は現金で…下請代金のうち労務費に相当する部分は、現金で支払うよう適切な配慮をしなければなりません(第24条の3第2項)。手形で渡されると、下請は職人に給料を払えません。
  • 前払金を受けたら下請にも…元請が前払金を受けたときは、下請にも資材の購入や労働者の募集に必要な費用を前払金として支払うよう配慮します(同条第3項)。
  • 割引が困難な手形は交付できない…特定建設業者は、支払期日までに一般の金融機関で割引を受けることが困難な手形を交付してはなりません(第24条の6第3項)。紙は渡したが換金できない状態を防ぐためです。
  • 払わなければ遅延利息…特定建設業者が支払期日までに払わなかったときは、申出の日から50日を経過した日以降の日数に応じて、遅延利息を支払わなければなりません(同条第4項)。

もう1つ、不利益取扱いの禁止(第24条の5)があります。元請の違反を下請が国土交通大臣等・公正取引委員会・中小企業庁長官に通報したことを理由に、取引の停止など不利益な取扱いをしてはならないという決まりです。通報したら仕事を切られる、では誰も通報できません。決まりを実際に働かせるための条文です。

過去問でどう問われたか(年度横断)

元請負人の義務は、特に1級でほぼ毎年出ます。日数や「着手前か後か」を少しずらした誤りを選ばせる形が定番です。

年度・級 テーマ 問われ方・引っかけ
平成22・1級 追加工事の契約変更 「着手後に書面で契約変更」は誤り(着手前に書面)
平成24・1級 支払・検査の日数 下請代金の支払期日50日以内・検査20日以内の正否
平成25・1級 義務の全般 前払金の配慮・引渡し・意見聴取・検査の正否
平成27・1級 検査・下請代金 検査は通知日から20日以内/下請代金は支払受領日から1月以内
令和4・1級 意見聴取・支払 あらかじめ下請負人の意見をきく/下請代金1月以内
令和5・1級 検査の期限 「40日以内に検査」は誤り(正20日以内)
令和6・1級 引渡しの時期 引渡しを「申出日から○月以内」とするのは誤り(直ちに)
令和8・2級(前期) 専任の技術者 「請負代金の額にかかわらず専任」は誤り(政令で定める金額以上で専任)

混同しやすい用語

下請代金の「1月以内」と特定建設業者の「50日以内」

1月以内は、元請が注文者から支払を受けた日を起点に下請へ払う期限です。50日以内は、特定建設業者が下請の引渡し申出日を起点に支払期日を定める規定です。起点(支払受領日か引渡し申出日か)が違います。

まちがえやすいポイント

検査は完成通知日から20日以内(「40日」は誤り)、検査後の引渡しは申出があれば直ちに(「○月以内」は誤り)。下請代金は支払を受けた日から1月以内、特定建設業者の支払期日は引渡し申出日から50日以内。意見聴取や追加工事の契約変更は着手前にあらかじめ行います。

技術者の専任(請負代金の額でなく政令で定める金額以上)は技術者制度の論点です。

理解度チェック

問題:元請負人は、下請負人から工事完成の通知を受けた日から40日以内に検査を完了しなければならない。

〇か×か。

答え:×

検査の完了期限は通知を受けた日から20日以内です。

問題:元請負人は、注文者から出来形部分の支払を受けたとき、相応する下請代金を支払を受けた日から1月以内に支払わなければならない。

〇か×か。

答え:

下請代金は支払を受けた日から1月以内に支払います。

問題:特定建設業者が注文者となる下請契約では、下請代金の支払期日は下請負人の引渡しの申出日から50日以内に定める。

〇か×か。

答え:

引渡し申出日から50日以内のできる限り短い期間で定めます。

まとめ

元請負人の義務は、下請負人を守るための日数の規定が中心です。

検査20日・引渡しは直ちに・下請代金1月以内・特定建設業者50日以内・着手前の意見聴取が、繰り返し問われる引っかけです。

あわせて施工体制台帳と施工体系図、主任技術者と監理技術者も確認すると、建設業法がつながります。

参考資料

  • 建設業法 第24条の2〜第24条の6 e-Gov法令検索
  • 国土交通省「建設業法令遵守ガイドライン」

※ 法令は改正されることがあります。最新の条文・公式情報で確認してください。

T

無料・独学でまなぶ資格のT

T|運営・編集

土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

受験ガイド

分野から探す

過去問解説

このサイトについて

Topへ >>

  1. HOME > 法規 > 元請負人の義務