けんせつる
なんで床に鉄を使っちゃだめなの?
見張人って、必要なときだけでいいの?
この記事の要点
火薬類取締法とは、火薬類を安全に扱うための法律のことです。試験では火工所と火薬類取扱所での扱いが問われます。
まず、この法律が何を防ごうとしているのかを押さえます。そこから条文の理由が見えます。
火薬類の事故は、大きく2つの原因で起きます。
条文はこの2つを防ぐために書かれています。火花を出さないための決まりと、人を離さない・記録を残すための決まり。出題される内容も、たいていこのどちらかです。
トンネル掘削などで発破を行う工事では、火薬類取扱所(帳簿を備えて受払いを管理する場所)と火工所(薬包に電気雷管を取り付けるなどの作業を行う場所)が設けられます。この2つで何をするかが問われます。
ここが2年で2回、しかも床面と容器内面の両方で出題された論点です。
理由は単純で、鉄は摩擦や衝撃で火花を発するからです。火薬類を扱う場所でその火花が出れば、発火の原因になります。だから鉄を表面に出しません。
容器を電気不良導体で作るのは、もう一つ理由があります。静電気をためないためです。金属どうしが触れて火花が出ることも避けます。火花の原因を摩擦・衝撃・静電気の3方向からつぶしている、と考えると条文が覚えやすくなります。
火工所は、消費場所で薬包に電気雷管を取り付けるなどの作業を行う場所です。火工所以外の場所で、薬包に雷管を取り付ける作業を行ってはいけません。
ここに火薬類を置いたまま人が離れると、盗難や第三者の立入りを防げません。だから火薬類を存置する場合には見張人を常時配置します。「必要に応じて配置する」は義務を緩めており誤りです。
火薬類の規定は、常時か随時かで義務の強さが変わります。この言い換えが繰り返し狙われます。「常時」「その都度」といった語を見たら、そこが答えの分かれ目だと考えてください。
そのほか火工所には次の決まりがあります。
消費場所で火薬類を取り扱うときは、固化したダイナマイト等はもみほぐします。「もみほぐしてはならない」は逆で誤りです。固まったまま装填すると、爆発が伝わらず不発や残留を招くためです。
| 行為 | 相手と種類 |
|---|---|
| 火薬庫の設置・移転・設備の変更 | 都道府県知事の許可(法第12条) |
| 火薬類の譲渡・譲受 | 都道府県知事の許可(法第17条) |
| 火薬類の廃棄 | 都道府県知事の許可(法第27条) |
| ★火薬類・許可証・運搬証明書の喪失・盗取 | ★警察官又は海上保安官に届け出る(法第46条) |
手続きの相手は都道府県知事の許可でそろっていて、事故届だけ相手が変わります。喪失・盗取を「都道府県知事に届け出る」とするのが誤りです。盗難は犯罪なので警察へ、という筋で覚えると迷いません。
混同しやすい用語
常時 と 必要に応じて
火工所に火薬類を存置する場合、見張人は常時配置します。「必要に応じて配置する」は義務を緩めた誤りです。火薬類の規定は常時か随時かで義務の強さが変わるため、この言い換えが繰り返し狙われます。同じ理由で、帳簿の記録もその都度です。
知事の許可 と 警察官・海上保安官への届出
火薬庫の設置・移転・設備変更、譲渡・譲受、廃棄は都道府県知事の許可です。一方、火薬類・許可証・運搬証明書の喪失・盗取は警察官又は海上保安官に届け出ます。手続きは知事、事故は警察、と分けて覚えます。
火薬類は2級でほぼ毎年、1級でも出ます。引っかけは3型です。
| 出題年度・級(問番) | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和5年度 2級後期(No.39) | 火工所の「床面は鉄類で覆い」→ 誤り。鉄類を表さない ←①(正答2) |
| 令和5年度 1級(No.55) | 容器の「内面は鉄類を表したものとする」→ 誤り。火薬類取扱所を「地下構造」とするのも誤り ←①(正答1) |
| 令和4年度 2級前期(No.39) | 火工所の見張人を「必要に応じて配置する」→ 誤り。常時配置 ←②(正答3) |
| 令和4年度 2級後期(No.39) | 固化したダイナマイト等を「もみほぐしてはならない」→ 誤り。もみほぐす(正答2) |
| 令和5年度 2級前期(No.39) | 喪失・盗取の届出を「都道府県知事」→ 誤り。警察官又は海上保安官(法46条)←③(正答1) |
問題:火工所の床面や、火薬類を収納する容器の内面に鉄類を表さないのはなぜか。
鉄は摩擦や衝撃で火花を発し、火薬類の発火の原因になるためです。床面は火花を発しにくい材料にし、容器は木その他電気不良導体で作って内面にも鉄類を表しません。容器を電気不良導体にするのは静電気をためないためでもあります。(令和5年度2級後期 No.39、令和5年度1級 No.55)
問題:火工所に火薬類を存置する場合、見張人はどう配置するか。
常時配置します。火薬類を置いたまま人が離れると、盗難や第三者の立入りを防げないためです。「必要に応じて配置する」は義務を緩めており誤りです。火薬類の規定は常時か随時かで義務の強さが変わるので、この言い換えが繰り返し出題されます。(令和4年度2級前期 No.39)
問題:火薬類や許可証を盗まれたとき、どこへ届け出るか。
警察官又は海上保安官です(法第46条)。火薬庫の設置・移転・設備変更、譲渡・譲受、廃棄はいずれも都道府県知事の許可ですが、事故届だけ相手が変わります。「都道府県知事に届け出る」は誤りです。(令和5年度2級前期 No.39)
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月
管理人からのコメント
火薬類は条文が細かく見えますが、出題される場所は限られています。鉄類・見張人・もみほぐし・事故届。この4つで5年分がほぼ切れます。
特に鉄類は、令和5年に2級(床面)と1級(容器内面)の両方で出ました。理由が同じ「火花」なので、どちらの形で出ても対応できます。鉄を使わないのは強度の問題ではなく、火花を出さないためです。
もう一つ、「必要に応じて」という言葉が出てきたら疑ってください。火薬類の規定で義務を緩める言い換えは、ほぼ誤り肢です。