けんせつる
液性限界と塑性限界、どっちが水の多い側か毎回迷う。
この記事の要点
コンシステンシー限界とは、土の状態が切り替わる境界の含水比のことです。土は水の量で、こねられる状態にも、流れる状態にも変わります。
液性指数は「幅の中のどこにあるか」を示す別の量です。幅そのものではありません。
1級の第一次検定No.2で、令和7年度に出題されました。土質試験の組合せ問題でも、コンシステンシー試験として繰り返し登場します。
同じ土でも、水の量によって手ざわりがまるで変わります。乾いた粘土は固まりですが、水を含むと粘土細工のようにこねられ、さらに水を足すと泥水になって流れ出します。
この変化を含水比の順に並べると4つの状態になります。
| 状態 | 含水比 | どんな状態か |
|---|---|---|
| 液状 | 多い | 流れる。形を保てない |
| 塑性状 | ↑ | こねられる。形を変えてもひび割れない |
| 半固体状 | ↓ | 形を変えるとひび割れる |
| 固体状 | 少ない | 固まっている |
この状態の変わりやすさをコンシステンシーといいます。そして、状態が切り替わる境界の含水比がコンシステンシー限界です。
簡単に言えば、粘土に水を足していったとき「こねられるようになる瞬間」と「流れ出す瞬間」の水分量です。
状態が変わるのは、粒子の間に入った水が粒子どうしを滑らせるからです。水が少ないうちは粒子が互いに噛み合って動かず、固まりのままです。水が増えると粒子が滑れるようになり、形を変えられる塑性状になります。さらに増えると粒子が離れて支え合えなくなり、流れ出します。
この境界は土によって違います。同じ含水比でも、ある土は塑性状、別の土は液状になります。だから境界の含水比を試験で求め、その土の性質を表す値として使います。
出題されるのは、塑性状の両側の境界2つです。名前と向きを取り違えないことが要点になります。
液性限界 wL=塑性状から液状に移るときの境界の含水比
塑性限界 wP=塑性状から半固体状に移るときの境界の含水比
見分け方は名前が示す先の状態です。液性限界は液状との境、塑性限界は塑性状の下側の境。だから水が多い側が液性限界になります。
令和7年度1級の誤り肢は、4つのうち2つがこの入れ替えでした。塑性限界を液状側に置いた組合せです。
塑性指数は、液性限界と塑性限界の差です。
塑性指数 Ip = 液性限界 wL − 塑性限界 wP
意味は塑性状でいられる含水比の幅です。この幅が広い土ほど、水が多少増えても減っても、こねられる状態を保ちます。
図で見ると、塑性状の帯の横幅そのものです。値そのものではなく、2つの限界の間隔を表している点が要点になります。
もう1つの引っかけがこれです。名前が似た液性指数があります。
| 塑性指数 | 液性指数 | |
|---|---|---|
| 何を表すか | 2つの限界の幅そのもの | 含水比が幅の中のどこにあるか |
| 求め方 | 液性限界−塑性限界 | 幅の中での位置を示す指標 |
| 読み方 | 大きいほど幅が広い | 大きいほど液状側に近い |
令和7年度1級では、幅を表す量として液性指数を置いた選択肢が誤りでした。幅なら塑性指数、位置なら液性指数と分けます。
簡単に言えば、塑性指数は「箱の横幅」、液性指数は「箱の中のどのあたりに今いるか」です。
令和7年度1級の4つの選択肢を並べると、誤りの作り方が見えます。限界の入れ替えと指数の取り違えの2つを、掛け合わせて作られています。
| 限界2つ | 幅を表す量 | 判定 | |
|---|---|---|---|
| ⑴ | 入れ替え | 液性指数 | 2か所とも誤り |
| ⑵ | 正しい | 液性指数 | 幅の量が誤り |
| ⑶ | 正しい | 塑性指数 | 正解 |
| ⑷ | 入れ替え | 塑性指数 | 限界が誤り |
2つの軸の組合せなので、選択肢は4通りそろいます。正しい組合せは1つだけです。
裏を返すと、2つの軸をそれぞれ独立に確かめれば足ります。まず限界2つの向きを見て、次に幅の量が塑性指数かを見る。この順で読めば、途中で消える肢が出てきます。
1か所ずつ見れば、4肢を全部読み比べる必要はありません。組合せ問題は、軸ごとに切ると速く解けます。
コンシステンシー限界を求める試験をコンシステンシー試験といいます。液性限界試験と塑性限界試験をまとめた呼び方です。
結果は盛土材料としての適否の判定に使います。土質試験の組合せ問題では、次の対応で問われます。
| 知りたいこと | 使う試験 |
|---|---|
| どれだけ沈むか | 圧密試験 |
| どれだけ耐えるか | 一軸圧縮試験・三軸圧縮試験 |
| 舗装を何cmにするか | CBR試験 |
| 盛土に使えるか | コンシステンシー試験・粒度試験 |
液性限界試験からは流動曲線が得られます。この曲線を粒度試験の結果として並べた選択肢が、誤り肢として出ています。流動曲線は液性限界試験のもので、粒度試験からは粒径加積曲線が得られます。
混同しやすい用語
液性限界 と 塑性限界
境界の向きが逆です。液性限界は塑性状から液状に移る境界で水が多い側、塑性限界は塑性状から半固体状に移る境界で水が少ない側です。名前が示す先の状態を見れば決まります。含水比の大小では、必ず液性限界のほうが大きい値になります。
塑性指数 と 液性指数
表すものが違います。塑性指数は液性限界と塑性限界の幅そのもの(Ip=wL−wP)で、液性指数はその幅の中で今の含水比がどの位置にあるかを表す指標です。幅を聞かれているのに液性指数を選ぶと誤りになります。「幅なら塑性、位置なら液性」で分けます。
土質は1級・2級とも第一次検定のNo.2で出ます。コンシステンシーに関する出題を並べます。
| 出題年度・級(問番) | 問われ方 | 要点 |
|---|---|---|
| 令和7年度 1級(No.2) | 限界の名前と塑性指数の組合せ | 液性限界/塑性限界/塑性指数 |
| 令和6年度 1級(No.6) | 土質試験の結果と利用の組合せ | 流動曲線は液性限界試験のもの |
| 令和4年度 2級後期(No.2) | 土質試験と結果の利用 | 盛土材料の適否に使う |
問われるのは名前と境界の対応だけです。値を計算させる出題はありません。
問題:液性限界と塑性限界では、どちらの含水比が大きいか。理由も答えよ。
液性限界のほうが大きいです。液性限界は塑性状から液状に移る境界で、水がいちばん多い側にあります。塑性限界は塑性状から半固体状に移る境界で、水が少ない側です。塑性指数は液性限界から塑性限界を引くので、必ず正の値になります。
問題:塑性指数が大きい土は、どのような土か。
塑性状でいられる含水比の幅が広い土です。水が多少増えても減っても、こねられる状態を保ちます。塑性指数は液性限界と塑性限界の差なので、2つの境界が大きく離れているほど値が大きくなります。幅の広さを表す量であって、今の含水比の位置を表すものではありません。
問題:流動曲線は、どの試験から得られる結果か。
液性限界試験です。粒度試験の結果として並べた選択肢が誤り肢に出ています。粒度試験から得られるのは粒径加積曲線です。試験名と結果の組合せを問う形式では、この2つの曲線の取り違えが狙われます。
土の構成は土の三相、粒度は粒径加積曲線、試験の使い分けは土質試験と結果の利用で確認できます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月
図を1本書けば、組合せ問題は落とせない
この問題は組合せ形式なので、1か所でも取り違えると全部外れます。逆に、含水比の軸を1本書いて4つの状態を並べれば、境界の名前はその場で決まります。
水が多い側が液性限界、幅が塑性指数。この2つだけを図で覚えます。