けんせつる
粒がそろっているほうが良い土に思えるのに、逆って本当?
この記事の要点
粒径加積曲線とは、土に含まれる粒の大きさの分布を表したグラフです。横軸が粒径(対数目盛)、縦軸が通過質量百分率です。
粒がそろっている土は「粒度が悪い」と評価されます。ここが裏返して問われます。
1級・2級とも第一次検定のNo.2で出ます。曲線の読み取りと粒径区分が、年度を変えて繰り返し出題されています。
粒径加積曲線は、土をふるいにかけて、どの大きさの粒がどれだけ含まれているかを表したグラフです。
| 軸 | とる量 | 向き |
|---|---|---|
| 横軸 | 粒径(対数目盛) | 左が小さい(粘土・シルト)、右が大きい(砂・礫) |
| 縦軸 | 通過質量百分率〔%〕 | 下が0%、上が100% |
通過質量百分率とは、その粒径のふるいを通り抜けた土の質量の割合です。言い換えると、その粒径より細かい粒の割合を表します。
だからグラフのある1点を読めば、その粒径より細かい粒が全体の何%かが分かります。2つの粒径での値の差を取れば、その区間に入る粒の割合が出ます。
横軸が対数目盛なのは、粘土の0.001mmから礫の100mmまで、10万倍の幅を1枚に収めるためです。等間隔の目盛では細粒側がつぶれてしまいます。
粒径による区分は、小さいほうから粘土・シルト・砂・礫の4つです。
| 区分 | 粒径 | まとめた呼び方 |
|---|---|---|
| 粘土 | 0.005mm以下 | 細粒分(0.075mm未満) |
| シルト | 0.005〜0.075mm | |
| 砂 | 0.075〜2mm | 粗粒分 |
| 礫 | 2mm以上 |
覚える境界は0.005・0.075・2の3つだけです。とくに0.075mmは、細粒分と粗粒分の境として繰り返し出ます。
令和6年度後期の2級では、この並び順そのものが問われました。誤り肢は砂と礫の順や粘土とシルトの順を入れ替えたものでした。
粒径の幅の広さを1つの数字で表したものが均等係数です。
均等係数 Uc = D60 / D10
D60・D10=通過質量百分率が60%・10%になるときの粒径
読み方は簡単です。縦軸の60%の高さで曲線と交わる点の粒径がD60、10%の高さで交わる点の粒径がD10です。
幅が広い土では、D60とD10が大きく離れるのでUcは大きくなります。粒がそろった土では2つが近いので、Ucは1に近づきます。
ここが直感と食い違うところです。粒がそろった土は「粒度が悪い」と評価されます。
| 曲線の形 | 粒径の幅 | 粒度の評価 | 均等係数 |
|---|---|---|---|
| 緩やか(寝ている) | 広い | よい | 大きい |
| 立っている(急) | 狭い(そろう) | 悪い | 小さい |
理由は締固めにあります。大小さまざまな粒が混ざっていると、大きい粒のすき間に小さい粒が入り込みます。すき間が埋まるので、締め固めたときに密度が上がり、よく締まります。
粒がそろっていると、この入り込みが起きません。どこまでも同じ大きさのすき間が残るので、締め固めても密度が上がりません。だから盛土材料としては不利です。
令和8年度2級では、この対応をそのまま裏返した選択肢が誤り肢として並びました。「広範囲の粒径=悪い」「均等係数が大きい=そろっている」といった形です。
簡単に言えば、砂利と砂と細かい土が混ざったほうがよく締まる、ということです。同じ大きさの玉ばかりでは、いくら突いても間が空いたままです。
2本の曲線を比べる問題では、この「幅」が答えになります。令和6年度前期の2級では、2つの土のうち一方がシルトの割合も礫の割合も多いという読み取りでした。
一見すると矛盾して見えますが、そうではありません。細粒側にも粗粒側にも広く分布している、つまり粒径の幅が広い土だと読めます。片方だけが多いのではなく、両端がともに多いときは幅が広いと判断します。
1級では三角座標とあわせて問われます。礫分・砂分・細粒分の3つの割合(合計100%)で土を分類する図です。
正三角形の各頂点が、その成分100%を表します。点がある頂点に近いほど、その成分が多いという読み方です。
粒径加積曲線から3つの割合を読み取り、三角座標の点と対応するかを確かめる、という組合せで出題されます。読み取りの手順は次のとおりです。
混同しやすい用語
粒度がよい と 粒がそろっている
逆の意味です。粒度がよいとは粒径の幅が広いことで、曲線は緩やか、均等係数は大きくなります。粒がそろっているのは幅が狭い状態で、曲線は立ち、均等係数は1に近づきます。大小の粒が混ざるほどすき間が埋まって締まるため、幅が広いほうがよいと評価されます。日常の語感と逆になる点が狙われます。
細粒分 と 粘土
範囲が違います。細粒分は0.075mm未満の粒すべてで、粘土とシルトを合わせたものです。粘土はそのうち0.005mm以下の部分だけを指します。粒径加積曲線で0.075mmの位置を読んだ値は細粒分の割合であり、粘土の割合ではありません。
土質は1級・2級とも第一次検定のNo.2で出ます。粒度に関する出題を並べます。
| 出題年度・級(問番) | 問われ方 | 要点 |
|---|---|---|
| 令和8年度 2級(No.2) | 曲線の形と粒度・均等係数の対応 | 緩やか=よい=Uc大 |
| 令和7年度 1級(No.2) | コンシステンシー限界 | 液性限界・塑性限界・塑性指数 |
| 令和6年度 1級(No.2) | 粒径加積曲線と三角座標 | 砂分・細粒分の割合を読む |
| 令和6年度 2級前期(No.2) | 曲線からシルト・礫の割合 | 左が細粒、右が粗粒 |
| 令和6年度 2級後期(No.2) | 粒度区分の並び順 | 粘土→シルト→砂→礫 |
問われ方は曲線を読む形と区分の順を並べる形の2つです。どちらも計算はほぼ不要で、読み方と順序を知っていれば取れます。
問題:粒径の幅が広い土のほうが「粒度がよい」とされるのはなぜか。
大きい粒のすき間に小さい粒が入り込み、すき間が埋まるためです。締め固めたときに密度が上がり、よく締まります。粒がそろっていると同じ大きさのすき間が残り続けるので、突いても密度が上がりません。盛土材料としては、幅の広い土が有利です。
問題:粒径加積曲線で0.075mmの位置の縦軸の値は、何の割合を表しているか。
細粒分の割合です。縦軸はその粒径より細かい粒の割合を表し、0.075mm未満が細粒分(粘土+シルト)だからです。粘土だけの割合ではありません。粘土の割合を知りたいときは、0.005mmの位置を読みます。
問題:均等係数が1に近い土は、どのような土か。
粒径がそろった土です。Uc=D60/D10なので、1に近いということはD60とD10がほとんど同じ、つまり粒の大きさに幅がないことを意味します。粒径加積曲線は立った形になり、粒度は悪いと評価されます。締固めても密度が上がりにくい土です。
土の構成は土の三相、締固めの管理は土の締固め試験、試験の使い分けは土質試験と結果の利用で確認できます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月
「幅が広い=よい」を逆に覚えると全滅する
この枠の選択肢は、よい・悪いと大きい・小さいの組合せで作られています。1つでも逆に覚えていると、組合せ問題なので全部外れます。
大小の粒が混ざるとすき間が埋まって締まる。だから幅が広いほうがよい。理由から入れば、逆に覚えることがありません。