令和8年2月の作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問20は、A測定とB測定が行われた場合の作業環境評価に関する問題です。
5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、評価値の意味(第1評価値・第2評価値)と、A測定・B測定の結果から管理区分(第1〜第3)をどう決めるかを問うものです。
第2評価値が気中濃度の算術平均値の推定値であるのに対し、第1評価値は高濃度側の95%点の推定値で、第2評価値より大きくなります。
引っかけの核心は、第1評価値を「算術平均値の推定値」と取り違える一点に絞られます。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢1(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 第1評価値を「算術平均値の推定値」とするのが誤り。第1評価値は高濃度側の95%点の推定値で、算術平均値の推定値は第2評価値のほう。 |
| 2 | ○(正しい) | 第1評価値は高濃度側の点、第2評価値は平均の点なので、第1評価値は一般に第2評価値より大きくなり、正しい。 |
| 3 | ○(正しい) | 第1評価値とB測定値がともに管理濃度未満なら第1管理区分となるので、正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 第1評価値が管理濃度を超えず、B測定値が管理濃度の1.5倍(1.5倍未満)なら第2管理区分となるので、正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 全てのA測定値が管理濃度を超えれば、B測定値が管理濃度未満でも第3管理区分となるので、正しい。 |
A測定の結果から計算する評価値には、第1評価値と第2評価値の2つがあります。
作業環境中の有害物質の濃度分布は対数正規分布で近似されるという前提のうえで、第2評価値がその分布の算術平均値の推定値、第1評価値がその分布の高濃度側の95%点(上側5%にあたる点)の推定値です。
選択肢1は、第1評価値のほうを「算術平均値の推定値である」と説明していますが、算術平均値の推定値は第2評価値です。
高濃度側の点である第1評価値は、平均の点である第2評価値より上側にあるため、第1評価値と第2評価値の中身を取り違えている点が誤りになります。
第1評価値が第2評価値より大きくなる(選択肢2)のは、第1評価値が分布の高い側を指しているからで、この大小関係から考えても算術平均値の推定値とは結び付きません。
問題:A測定の第1評価値は、気中有害物質濃度の算術平均値の推定値か。
いいえ。算術平均値の推定値は第2評価値です。第1評価値は、対数正規分布で近似した気中濃度の高濃度側95%点(上側5%にあたる点)の推定値で、第2評価値より大きくなります。
問題:全てのA測定値が管理濃度を超えていたが、B測定値は管理濃度未満だった。管理区分はどうなるか。
第3管理区分です。全てのA測定値が管理濃度を超えた場合は、B測定値が管理濃度未満であっても第3管理区分になります。A測定とB測定のどちらかが厳しい結果なら、悪いほうに区分が決まるためです。
出典
※ 最終更新:2026年6月