令和8年2月の作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問2は、A・B測定の単位作業場所の設定に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、単位作業場所の範囲を何を見て決めるかを問うものです。
判断材料は、労働者の行動範囲と有害物質の分布状況であり、人数や作業時間は範囲の基準にしません。
引っかけの核心は、範囲を決めるとき気流の影響を考えなくてよいとした一肢です。気流は有害物質をどこへ運ぶかを左右するので、分布を読むうえで外せません。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢3(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 働く労働者の人数や作業時間は、範囲を決める基準にしないので正しい(測定点の数や時間には関わるが、範囲そのものは決めない)。 |
| 2 | ○(正しい) | 行動範囲や有害物質の分布状況を判断基準にして作業場の区域を層別化するのは正しい。 |
| 3 | ×(誤り) | 範囲を決めるとき気流の影響を「考慮しなくてもよい」とするのが誤り。気流は分布を左右するので考慮する。 |
| 4 | ○(正しい) | 連続する2作業日にわたって測定する場合、第1日目と第2日目の範囲を同一とするのは正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 行動範囲が工場全体でも分布が発生源周辺に限られるなら、発生源周辺の区域を単位作業場所としてよく、正しい。 |
単位作業場所の範囲は、労働者の行動範囲と有害物質の分布状況を読んで決めます。その分布を作るのが気流です。
発生源から出た有害物質は、止まった空気の中でその場にとどまるのではなく、室内の気流に乗って流れ、薄まったり、離れた場所にたまったりします。
つまり気流が変われば、濃度の高い区域と低い区域の線引きも変わります。
だからこそ範囲を決めるときに気流を見る必要があるのに、選択肢3は「気流の影響を考慮しなくてもよい」と言い切っており、ここが誤りです。
気流を無視すると、本当は有害物質が流れ着いている区域を範囲から外してしまい、ばく露を見落とす危険につながります。
選択肢2が「分布状況などの判断基準で層別化する」と言っているのと裏表の関係です。
分布を判断材料にすると認めながら、その分布を決める気流だけ無視してよいというのは筋が通りません。
問題:単位作業場所の範囲を決めるとき、作業場内の気流は考慮しなくてよいか。
いいえ、考慮します。気流は有害物質を運んで濃度の分布を左右します。範囲は行動範囲と分布状況で決めるため、その分布をつくる気流を無視すると、有害物質が流れ着く区域を範囲から外しかねません。
問題:労働者の行動範囲は工場全体だが、有害物質の分布が発生源の周辺に限られる場合、単位作業場所はどう設定するか。
発生源周辺の区域を単位作業場所として設定してよいです。範囲を決める材料は行動範囲だけでなく有害物質の分布状況でもあり、分布が限定されているならその区域に絞れます。
出典
※ 最終更新:2026年6月