令和7年8月の作業環境測定士試験 労働衛生一般 問11は、暑熱または寒冷の環境と、それが人体に及ぼす影響に関する問題です。
5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、暑熱・寒冷の基本(温熱の四要素、熱中症、WBGT、暑熱順化、寒冷時の体の反応、凍傷)を横断して問うものです。
引っかけの核心はWBGT値の算出に絞られていて、日射の有無で乾球温度を使う・使わないの向きが入れ替わっている記述を見抜けるかどうかが分かれ目です。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢3(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 温度感覚を左右する温熱の四要素を、気温・湿度・輻射熱・気流とするのは正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | 熱中症を、高温多湿下で水分・塩分のバランスや体温調整機能が崩れて起きる障害の総称とするのは正しい。 |
| 3 | ×(誤り) | 乾球温度を使う・使わないの向きが逆。日射がある屋外で乾球温度を加え、日射がない屋内では使わないのが正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 寒冷下で体温が下がり始めると、筋緊張の増強や酸素摂取量の増加が現れるとするのは正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 凍傷を、軽度では表皮にとどまり、重篤では筋肉や骨にまで及ぶ組織障害とするのは正しい。 |
WBGT値(暑さ指数)は、暑熱環境の評価に使う指標で、測る場所が屋外か屋内かによって算出式が変わります。違いの本質は乾球温度(気温)を式に入れるかどうかにあります。
正しくは、日射がある屋外では、湿球温度と黒球温度に乾球温度を加えて算出し、日射がない屋内では、湿球温度と黒球温度だけで算出して乾球温度は使いません。
日射という強い熱負荷がある屋外でこそ気温そのものの寄与を取り込む、と押さえると向きを取り違えにくくなります。
選択肢3は、これを「日射がない場合に乾球温度を使い、日射がある場合には使わない」と逆向きに述べています。
屋外・屋内のどちらで乾球温度を使うかが入れ替わっているため、誤りです。
式の構成要素(湿球・黒球・乾球)自体は正しく挙げられていても、使う場面が反対になっている点で引っかかります。
問題:WBGT値の算出で乾球温度(気温)を式に加えるのは、日射がある屋外と日射がない屋内のどちらか。
日射がある屋外です。屋外では湿球温度・黒球温度に乾球温度を加えて算出します。日射がない屋内では乾球温度を使わず、湿球温度と黒球温度だけで算出します。
問題:温度感覚を左右する温熱の四要素は何か。
気温・湿度・輻射熱・気流の四つです。WBGTはこのうち湿度や輻射熱の影響を、湿球温度・黒球温度として取り込んでいます。
出典
※ 最終更新:2026年6月