令和7年8月の作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問18は、正規分布と対数正規分布の性質に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、正規分布の形(左右対称)・ばらつきの目安(μ±σで約68%)・上側の値(95%上限値)と、対数正規分布で使う幾何平均値・幾何標準偏差の基本を、まとめて確認するものです。
引っかけの核心は、正規分布の母平均と母分散が「互いに独立ではない」とした一点にあります。
正規分布では、平均の位置と散らばりの大きさは別々に決まる量で、片方の値からもう片方は決まりません。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢5(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 横軸を変数・縦軸を確率密度にとると、正規分布の曲線は平均を中心に左右対称になるので正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | 平均μ・標準偏差σの正規分布で、μ−σからμ+σの範囲に入る確率は約68%なので正しい。 |
| 3 | ○(正しい) | 95%上限値(上側5%の境目)はμ+1.645σで与えられるので正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 対数正規分布の幾何平均値は濃度と同じ次元、幾何標準偏差は無次元の比なので、両者は異なる次元をもち正しい。 |
| 5 | ×(誤り) | 正規分布の母平均と母分散は互いに独立で、片方が決まってももう片方は定まらない。「独立ではない」とするのが誤り。 |
正規分布は、平均を表すμと、散らばりを表すσ²(分散)の2つの値だけで形が決まります。
μは曲線の山の位置を、σ²は曲線の幅の広さを表していて、この2つは別々に動かせる量です。山を右へずらしても幅は変わらず、幅を広げても山の位置は動きません。
つまり、母平均がいくつかを知っても、そこから母分散の値は決まらず、その逆も決まりません。これがまさに互いに独立であるということです。
選択肢5はこれを「互いに独立ではない」と逆向きに書いており、ここが誤りです。
片方が決まればもう片方も決まる、という連動した関係を正規分布の母平均と母分散にあてはめてしまうのが引っかけになっています。
問題:正規分布の母平均と母分散は、互いに独立といえるか。
はい。母平均は山の位置、母分散は散らばりの大きさを表す別々の量で、片方の値からもう片方は決まりません。互いに独立です。
問題:平均μ・標準偏差σの正規分布で、95%上限値はどう表されるか。
μ+1.645σです。上側5%の境目にあたる値で、片側の上限を考えるときは2σ(約2.5%側)ではなく1.645σを使います。
出典
※ 最終更新:2026年6月