令和7年8月の作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問15は、検知管とそのガス採取器に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、検知管による測定の基本(簡易測定機器の選択肢・前処理管・要求される精度・温度補正・採取器の操作)を一通り問うものです。
引っかけの核心はガス採取器の使い方の1点に絞られます。
真空法のガス採取器は、規定量の試料を速やかに引いて一気に吸引するもので、「確実に反応させるためゆっくり引く」という発想が逆になっています。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢5(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | ホルムアルデヒドの濃度測定には、検知管のほかにも使える簡易測定機器があるので正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | 妨害成分や水分を取り除くため、除去管・除湿管などの前処理管を接続して使う検知管があるので正しい。 |
| 3 | ○(正しい) | 検知管は管理濃度の10分の1の濃度を精度よく測れるものを使うので正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 濃度目盛は20℃基準で表示されており、温度が違えば読取り値の補正が要る場合があるので正しい。 |
| 5 | ×(誤り) | ガス採取器のピストンを「できるだけゆっくり引く」とするのが誤り。規定量を速やかに引いて一気に吸引する。 |
検知管は、ガス採取器で一定量(多くは100mL)の試料空気を検知管に通し、検知剤の変色した長さから濃度を読み取る器具です。
広く使われる真空法のガス採取器は、ピストンを所定の位置まで引いて器内を減圧し、その負圧で規定量の試料を吸い込む仕組みになっています。
このとき必要なのは、決められた量の空気を決められた条件で通すことです。
ピストンは止まる位置まで一気に(速やかに)引くのが正しい操作で、引いたあとは検知剤との反応が進むのに必要な時間だけ待ってから読み取ります。
選択肢5は、これを「確実に反応させるため、できるだけゆっくり引く」と説明しています。
ゆっくり引くと吸引する流量や採取条件が崩れ、メーカーが定めた測定条件から外れてしまいます。
反応を確実にするのは「待ち時間」であって、引く速さをゆるめることではありません。引く操作そのものは速やかに、という点が逆になっているため誤りです。
問題:検知管の真空法ガス採取器のピストンは、検知剤と確実に反応させるためゆっくり引くべきか。
いいえ。ピストンは止まる位置まで速やかに一気に引いて、規定量の試料を吸引します。確実な反応は引いたあとの待ち時間で確保するもので、引く速さをゆるめる必要はありません。
問題:検知管の濃度目盛は何℃を基準に表示されているか。温度が違うときはどうするか。
20℃を基準に変色層の長さとして表示されています。測定時の温度が20℃と大きく異なる場合は、読取り値の補正が必要になることがあります。
出典
※ 最終更新:2026年6月