令和7年8月の作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問10は、試料空気の採取量を測るための流量計に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、サンプリングで使う代表的な流量計(石けん膜流量計・面積式流量計・絞り式流量計)が、それぞれ何を測って流量に換算しているかと、校正の組み合わせを問うものです。
引っかけの核心は、絞り式流量計が流量を読み取る原理にあります。
絞り式は絞り弁の「開き具合」から流量を求めるのではなく、絞りの前後に生じる圧力差(差圧)から流量を求める方式だ、という一点です。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢3(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 石けん膜流量計は、石けん膜が一定区間を通る時間を測り、その区間の容積と所要時間から流量を求めるので正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | 面積式流量計は、上にいくほど内径が広がる垂直の管にフロート(浮子)を入れた構造で、フロートの浮く高さで流量を読むので正しい。 |
| 3 | ×(誤り) | 絞り式流量計を「絞り弁の開口度から流量を求める」とするのが誤り。絞りの前後に生じる圧力差(差圧)から流量を求めるのが正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 基準になる石けん膜流量計を使って面積式流量計を校正できるので正しい(正確な実流量で目盛を合わせる)。 |
| 5 | ○(正しい) | ハイボリウムエアサンプラーの流量計はルーツメーターで精度よく校正でき、ルーツメーターで校正済みの絞り式流量計を使ってもよいので正しい。 |
絞り式流量計は、管の途中を細くした絞り(オリフィスやベンチュリなど)を置き、そこを流体が通るときに生じる現象を利用します。
流れが速くなる絞りの前後では圧力に差ができ、流量が多いほどこの差は大きくなります。
つまり絞り式流量計は、絞りの前後に生じる圧力差(差圧)を測り、それを流量に換算する方式です。
選択肢3はこれを「絞り弁の開口度(開き具合)から流量を求める」と説明しており、ここが誤りです。
読み取るのは弁をどれだけ開けたかではなく、あくまで前後の圧力差です。
開口度で読むかのように覚えてしまうと、フロートの高さで読む面積式流量計と混同し、原理がすり替わってしまいます。
なお選択肢5にあるとおり、絞り式流量計自体はルーツメーターで校正して使う、実用的な流量計です。
問題:絞り式流量計は、絞り弁をどれだけ開けたか(開口度)から流量を求めるものか。
いいえ。絞り式流量計が測るのは絞りの前後に生じる圧力差(差圧)で、その差圧を流量に換算します。開口度から読むわけではありません。
問題:面積式流量計の校正には、何を使うことができるか。
石けん膜流量計を使うことができます。石けん膜流量計は容積と所要時間から実流量を正確に出せるため、読み取り式の面積式流量計の目盛を合わせる基準器として使えます。
出典
※ 最終更新:2026年6月