作業環境測定士 独学ノート
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令和7年2月 作業環境測定士試験 労働衛生一般 問5を解説(化学物質の性質と挙動)

令和7年2月の作業環境測定士試験 労働衛生一般 問5は、化学物質等の性質及び挙動に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。

この問題のポイント

この問題は、有害物質の濃度分布の型、粒子の沈降速度、ヒュームの発生、溶剤の溶解性と極性といった物質の物理化学的な性質を横断的に問うものです。

判断材料は、密度・蒸気圧・水への溶けやすさ・極性といった基本物性です。

引っかけの核心は、水によく溶ける溶剤を「水にほとんど溶けない」と逆に断定するところにあります。

※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。

正解:選択肢4(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
1○(正しい)環境空気中の有害物質濃度の分布が、時間的にも空間的にも対数正規型に近いとするのは正しい。
2○(正しい)粒径が同じなら、空気中の粒子状物質の沈降速度が粒子の密度に比例するとするのは正しい。
3○(正しい)金属の研磨作業で、摩擦熱により溶融した金属がヒュームとして発生する場合があるとするのは正しい。
4×(誤り)テトラヒドロフランを「水にほとんど溶けない」とするのが誤り。水と任意の割合で混ざり合う水溶性の溶剤である。
5○(正しい)アセトンの極性がエチルエーテルの極性よりも大きいとするのは正しい。

選択肢4のポイント(ここが誤り)

テトラヒドロフラン(THF)は、水と任意の割合で混ざり合う水溶性の有機溶剤です。少しだけ溶けるのではなく、どの比率でも均一に混ざります。

分子内に酸素を含む環状エーテルで、この酸素が水と水素結合をつくるため、水になじみやすい性質を持ちます。

それを「水にほとんど溶けない」と、溶解性を逆に断定してしまうのが誤りです。

水に溶けやすい溶剤と溶けにくい溶剤を取り違えると、排水・洗浄・ばく露経路の見立てが実態とずれてしまいます。

エーテルという名前から「エチルエーテルのように水に溶けにくい」と連想すると引っかかりますが、環状エーテルのTHFは水溶性である点を押さえておきます。

覚え方

  • テトラヒドロフラン(THF)=水と任意の割合で混ざる水溶性溶剤(「ほとんど溶けない」は逆)
  • 粒径が同じなら、粒子の沈降速度は密度に比例(重いほど速く沈む)
  • 濃度の対数をとると正規分布に近い=対数正規型(だから幾何平均で評価する)
  • 溶剤の溶解性は名前で連想せず、水素結合のしやすさで判断

理解度チェック

問題:テトラヒドロフランは水にほとんど溶けない有機溶剤か。

答えを見る

いいえ。テトラヒドロフランは水と任意の割合で混ざり合う水溶性の有機溶剤です。分子内の酸素が水と水素結合をつくるためで、「水にほとんど溶けない」は逆の記述になります。

問題:空気中の粒子状物質の沈降速度は、粒径が同じなら何に比例するか。

答えを見る

粒子の密度に比例します。同じ大きさの粒子でも、密度が大きい(重い)ほど速く沈みます。なお沈降速度は粒径の影響も大きく、粒径が大きいほど速く沈みます。

出典

  • 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「作業環境測定士試験(労働衛生一般)令和7年2月」公表試験問題 問5・公表正答。
  • テトラヒドロフランの水への溶解性(水と任意の割合で混和)・各物質の物性は、製造者の安全データシート(SDS)等の一次情報による。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。