令和7年2月の作業環境測定士試験 労働衛生一般 問2は、化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)に関する問題です。
5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、GHSの基本である危険有害性クラスと危険有害性区分の関係、絵表示の付け方、注意書きの位置づけを横断的に問うものです。
引っかけの核心は、区分の数字をクラスをまたいで横並びに比べてよいと読ませるところにあります。
区分の数字は、それぞれのクラスの中だけで通用する相対順位だという一点を押さえれば見抜けます。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢3(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 危険有害性を物理化学的危険性・健康に対する有害性・環境に対する有害性の3つに分け、健康に対する有害性が発がん性や生殖毒性など10のクラスを持つとするのは正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | 区分が数字で示される場合、数字が小さいほど危険有害性の程度が大きいとするのは正しい(区分1が最も厳しい)。 |
| 3 | ×(誤り) | クラスが異なっても区分が同じなら危険有害性の大きさが同等と判断できるとするのが誤り。区分の数字はクラスごとに独立した相対順位で、クラスをまたいで同じ大きさを意味しない。 |
| 4 | ○(正しい) | 一つの絵表示が複数のクラスや区分を表すことがあるとするのは正しい(例えばどくろの絵表示が複数の急性毒性区分に使われる)。 |
| 5 | ○(正しい) | 複数の危険有害性を持つ化学品には、原則として複数の絵表示を付すとするのは正しい。 |
危険有害性区分の数字は、同じ危険有害性クラスの中で危険有害性の程度を相対的に順位づけたものです。
区分1が最も程度が大きく、数字が大きくなるほど程度は下がります。この順位は、あくまでそのクラスの内部で意味を持ちます。
たとえば急性毒性の区分1と、皮膚腐食性・刺激性の区分1は、どちらも数字は1ですが、もとになる試験も判定の基準値も別物です。
だからクラスが異なる区分1どうしを並べて、人体への危険有害性の大きさが同等だと判断することはできません。
区分の数字は、クラスをまたいで比べるためのものではないからです。
選択肢3は、この「区分が同じなら大きさも同等」という横並びの比較を正しいかのように書いた点で誤りになります。
区分は同じクラスの中だけで比べる、と覚えておけば取りこぼしません。
問題:急性毒性の区分1と皮膚腐食性の区分1は、どちらも数字が同じだから人体への危険有害性の大きさは同等だと言えるか。
言えません。区分の数字はクラスごとに独立して定められた相対順位で、もとになる試験も判定基準も異なります。クラスが違えば、区分が同じでも危険有害性の大きさが同等とは判断できません。
問題:危険有害性区分の数字は、大きいほど危険有害性の程度が大きいのか。
逆です。数字が小さいほど程度が大きく、最も厳しいのが区分1です。数字が大きくなるほど、そのクラスの中での危険有害性の程度は下がります。
出典
※ 最終更新:2026年6月