令和7年2月の作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問19は、測定誤差と真値に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、測定値・真値・誤差まわりの用語が正しく結びついているかを問うものです。
中心になるのは、真値(本来の真の値)と、繰り返し測定から得られる平均値が別物だという区別です。
引っかけの核心は、繰り返し測定の算術平均値を「真値」と呼んでしまう点にあります。
平均値は真値そのものではなく、真値に最も近いと考えられる推定値(最確値)です。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢2(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 真値と測定値の差を測定誤差と呼ぶ、という定義どおりで正しい。 |
| 2 | ×(誤り) | 繰り返し測定の算術平均値を「真値」とするのが誤り。それは最確値(最も確からしい値)であって真値ではない。 |
| 3 | ○(正しい) | 常に一定の偏りを与える原因で生じる誤差を系統誤差とするのは正しい(かたより。補正できる)。 |
| 4 | ○(正しい) | 同一条件で繰り返しても生じる測定値のばらつきを偶然誤差とするのは正しい(標準偏差で表れる)。 |
| 5 | ○(正しい) | 指示値の読み間違いや記録の書き間違いを過失誤差とするのは正しい(人為的なミス)。 |
真値とは、測定対象が本来もっている真の値のことです。ところが測定にはどうしても誤差が混ざるため、真値は本来知り得ない値です。
そこで適正な測定を何度も繰り返し、その算術平均値を計算します。偶然誤差は繰り返すとプラスとマイナスで打ち消し合うので、平均値は真値に近づいていきます。
ただし、近づくだけで真値に一致するわけではありません。
この平均値は、いまある測定結果から見て最も確からしいと考えられる推定値であり、最確値(最も確からしい値)と呼ばれます。
選択肢2はこの最確値を「真値」と言い切っているため誤りです。最確値と真値を同じものとして扱うと、平均すれば真の値が分かるという過大な思い込みにつながります。両者は別物だと押さえます。
問題:適正な測定を何度も繰り返して得た測定値の算術平均値は、真値と呼んでよいか。
呼べません。その平均値は最確値(最も確からしい値)です。偶然誤差が打ち消し合って真値に近づきますが、真値そのものではなく推定値です。真値は本来知り得ない真の値です。
問題:系統誤差と偶然誤差は、どう違うか。
系統誤差は常に一定の方向に偏る誤差(かたより)で、原因が分かれば補正できます。偶然誤差は同一条件で繰り返しても生じるばらつきで、標準偏差として表れ、繰り返すと打ち消し合います。なお、読み間違いや書き間違いは過失誤差という別の区分です。
出典
※ 最終更新:2026年6月