令和6年2月の作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問19は、測定誤差に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、測定誤差の3つの分類(系統誤差・偶然誤差・過失誤差)と、それぞれの性質を問うものです。
系統誤差は決まった向きに同じだけずれる「かたより」、偶然誤差は方向の定まらない「ばらつき」、過失誤差は読み違いなどの単純ミスです。
引っかけの核心は、補正できる誤差と補正できない誤差を入れ替えてくるところにあります。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢3(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 測定誤差を系統誤差・偶然誤差・過失誤差の3つに分けるのは正しい分類。 |
| 2 | ○(正しい) | 採取器具の漏れは決まった向きに値をずらすので、漏れ試験を省くと系統誤差が生じうるのは正しい。 |
| 3 | ×(誤り) | 系統誤差は原因がわかれば補正できる。補正できないのは偶然誤差であり、説明が入れ替わっている。 |
| 4 | ○(正しい) | 同一条件で繰り返した測定値が定まった向きなくばらつくのは偶然誤差で、正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 偶然誤差はばらつきの大きさで表すので、標準偏差で表すのは正しい。 |
系統誤差は、毎回決まった向きに同じだけずれる誤差です。器具の漏れ、流量計の校正のずれ、測定者ごとの読み取りの癖などが原因で、かたよりとして現れます。
原因が決まっているということは、その原因を突き止めれば、ずれの大きさと向きを見積もって補正できるという意味です。
選択肢3は、その系統誤差を「原因を明らかにしても補正することができない」としています。これは性質をひっくり返した記述で、誤りです。
補正できないのは、方向の定まらない偶然誤差(ばらつき)のほうです。
偶然誤差は次にどちらへずれるか予測できないため、一回ごとの値を補正で打ち消すことはできず、回数を増やして平均をとり、ばらつきの幅を標準偏差でとらえることしかできません。
補正できる=系統誤差(かたより)、補正できない=偶然誤差(ばらつき)。この対応を逆にした選択肢が誤りになります。
問題:系統誤差は、原因を明らかにすれば補正できるか。
補正できます。系統誤差は決まった向きに同じだけずれる「かたより」なので、原因がわかればずれの向きと大きさを見積もって補正できます。補正できないのは、方向の定まらない偶然誤差のほうです。
問題:一つの試料を同一条件で繰り返し分析したときに測定値がばらつくのは、何という誤差か。また、その大きさは何で表すか。
偶然誤差です。次にどちらへずれるか予測できないばらつきで、その大きさは測定値の標準偏差で表します。
出典
※ 最終更新:2026年6月