作業環境測定士 独学ノート
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令和5年8月 作業環境測定士試験 労働衛生一般 問9を解説(金属による健康障害)

令和5年8月の作業環境測定士試験 労働衛生一般 問9は、金属及びその化合物による健康障害に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。

この問題のポイント

この問題は、代表的な有害金属(カドミウム・クロム・コバルト・ベリリウム・マンガン)が、それぞれどの臓器に・どんな症状を起こすかの結びつきを問うものです。

多くは標的臓器と症状を素直につなげば正誤を判断できます。

引っかけの核心はクロム1点で、クロムの毒性が強いのは何価かという価数の取り違えを見抜けるかどうかにあります。

※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。

正解:選択肢2(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
1○(正しい)カドミウムは主に腎臓の皮質にたまり、腎機能障害を起こす。標的臓器が腎臓という結びつきは正しい。
2×(誤り)毒性が特に強いのは6価クロムで、3価クロムの毒性は低い。3価が特に毒性が強いとするのは価数が逆で誤り。
3○(正しい)コバルトとその無機化合物は、接触皮膚炎や気管支ぜんそくを起こす。アレルギー性の症状という結びつきは正しい。
4○(正しい)ベリリウムは接触皮膚炎や肺炎(ベリリウム肺)を起こす。皮膚と肺を標的とする記述は正しい。
5○(正しい)マンガンの慢性中毒では、歩行障害や発語障害などパーキンソン病に似た神経症状がみられる。中枢神経を標的とする記述は正しい。

選択肢2のポイント(ここが誤り)

クロムは化合物としてとる価数によって毒性が大きく違う金属です。問われているのは、3価クロムと6価クロムのどちらが特に毒性が強いか、という一点です。

毒性が特に強いのは6価クロムです。6価クロムには発がん性があり、ばく露によって肺がんや、鼻中隔穿孔(鼻の軟骨に穴があく障害)などを起こします。

一方、3価クロムは体内でも利用される形で、6価クロムに比べて毒性は低いとされます。

選択肢2は「3価のものが特に毒性が強い」として、強い側と弱い側を入れ替えています。

正しくは6価が強く3価が弱い、という関係なので、価数を取り違えたこの記述が誤りです。3価か6価か、どちらが強いかを反対に覚えていると引っかかります。

覚え方

  • クロムの毒性が強いのは6価(六価クロム)/3価は毒性が低い(強弱を逆にしない)
  • 6価クロムの代表症状=発がん性・肺がん・鼻中隔穿孔
  • カドミウム=腎臓(皮質に蓄積)/マンガン=中枢神経(パーキンソン様)と標的臓器でひも付ける
  • 価数で毒性が変わる金属は「強いほうの価数」をセットで暗記する

理解度チェック

問題:クロム化合物では、3価クロムと6価クロムのどちらが特に毒性が強いか。

答えを見る

6価クロムです。6価クロムは発がん性があり、肺がんや鼻中隔穿孔などを起こします。3価クロムの毒性は低いため、3価が特に強いとするのは誤りです。

問題:カドミウムは主にどの臓器にたまり、どんな障害を起こすか。

答えを見る

主に腎臓の皮質に蓄積し、腎機能障害を起こします。標的臓器は腎臓と覚えておくと、ほかの金属(中枢神経を狙うマンガンなど)と区別しやすくなります。

出典

  • 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「作業環境測定士試験(労働衛生一般)令和5年8月」公表試験問題 問9・公表正答。
  • 金属の毒性・標的臓器は、厚生労働省の職業性疾病・特定化学物質関係資料および公的な有害性情報による。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。