令和5年8月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問2は、一般健康診断に関する問題です。5つの記述のうち、法令上、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、雇入時の健康診断と定期健康診断のルール(書面の提出・検査項目・個人票の保存・医師からの意見聴取)を区別できるかを問うものです。
引っかけの核心は、雇入時の健康診断でも、貧血検査や肝機能検査などを医師の判断で省略できると述べている点です。
検査項目の省略が認められるのは定期の健康診断であって、雇入時の健康診断には省略の規定がありません。省略できる健診を取り違えさせるのが、この肢の誤りです。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢2(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 雇入れの直前または直後に医師の健康診断を受け、その結果を証明する書面を提出したときは、その項目について雇入時の健康診断を省略できるので正しい。 |
| 2 | ×(誤り) | 貧血検査・肝機能検査などを医師の判断で省略できるのは定期の健康診断であり、雇入時の健康診断にはこの省略の規定がない。 |
| 3 | ○(正しい) | 聴力の検査は1000Hzと4000Hzの音で行うのが原則で、記述は正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 健康診断個人票を作成し、5年間保存する必要があり、正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 異常の所見があると診断された労働者について、その健康診断後3か月以内に医師から意見を聴く必要があり、正しい。 |
定期の健康診断では、一定の検査項目について、厚生労働大臣が定める基準に基づき医師が必要でないと認めるときは省略できるとされています。
年齢などに応じて貧血検査・肝機能検査・血中脂質検査・心電図検査などを省ける仕組みです。
選択肢2は、この省略の仕組みを雇入時の健康診断に当てはめています。
雇入時の健康診断は、これから働く人の健康状態を把握する基準点となるため、検査項目を医師の判断で省略する規定はありません(書面の提出による省略は別の話で、これは選択肢1のとおり認められます)。
「省略できるのは定期」「雇入時は項目をそろえる」という区別を取り違えているのが、この肢の誤りです。
他の4つは、書面提出による省略、聴力検査の周波数、個人票の5年保存、3か月以内の意見聴取と、健康診断の手続を正しく述べています。
誤りは「雇入時でも項目を省略できる」という1点です。
問題:雇入時の健康診断で、貧血検査や肝機能検査を医師が必要でないと認めれば省略できるか。
いいえ。医師の判断による検査項目の省略は定期の健康診断に認められる仕組みで、雇入時の健康診断には省略の規定がありません。雇入時は原則として法定の項目をそろえて実施します。
問題:健康診断で異常の所見があったとき、医師からの意見聴取はいつまでに行うか。
健康診断が行われた日から3か月以内に、その労働者の健康を保持するために必要な措置について医師の意見を聴く必要があります。
出典
※ 最終更新:2026年6月