作業環境測定士 独学ノート
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令和5年8月 作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問1を解説(安全衛生管理体制)

令和5年8月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問1は、事業場の安全衛生管理体制に関する問題です。5つの記述のうち、法令上、誤っているものを1つ選びます。

この問題のポイント

この問題は、総括安全衛生管理者の選任・専属の産業医・衛生委員会の構成といった管理体制の基本を一通り問うものです。

引っかけの核心は、外部の作業環境測定機関に測定を委託している場合に、その測定を行っている作業環境測定士を衛生委員会の委員として「指名しなければならない」と義務であるかのように述べている点です。

法令はこれを指名することができると定めており、義務ではありません。「できる規定」と「しなければならない義務」のすり替えが、この肢の誤りです。

※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。

正解:選択肢4(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
1○(正しい)製造業など一定の業種では常時300人以上の規模で総括安全衛生管理者を選任し、安全衛生に関する業務を統括管理させる必要があり、要件に沿っていれば正しい。
2○(正しい)衛生工学衛生管理者免許を受けた者は衛生管理者として選任でき、有害業務を行う事業場でその者から選任する仕組みがあるので、その点の記述は正しい。
3○(正しい)塩酸・硝酸・硫酸などの有害物を扱う業務に常時500人以上が従事する事業場では産業医を専属とする必要があり、正しい。
4×(誤り)外部委託先の作業環境測定士を衛生委員会の委員に「指名しなければならない」という義務はない。法令は指名することができると定めるにとどまる。
5○(正しい)衛生委員会の議長は総括安全衛生管理者(またはこれに準ずる者)のうちから事業者が指名する者がなるので、正しい。

選択肢4のポイント(ここが誤り)

衛生委員会は、事業場の衛生に関する事項を調査審議する場で、議長以外の委員には衛生管理者・産業医・労働者の代表などが含まれます。

法令は、事業者が作業環境測定を実施している作業環境測定士を委員として指名することができると定めています。これは委員に加える道を開いた任意の規定です。

選択肢4は、これを「指名しなければならない」という義務にすり替えています。

しかも測定を外部の作業環境測定機関に委託している場合まで、その委託先の測定士の指名を義務づけるかのように書いています。

委員に加えてよい(できる)のと、必ず加える(しなければならない)のは別物で、この肢は後者だと述べている点が誤りです。

他の4つは、総括安全衛生管理者の選任、衛生管理者の資格、専属の産業医、衛生委員会の議長の指名と、管理体制の要件を正しく述べています。

誤りは「測定士を委員に指名する義務」という存在しないルールの1点です。

覚え方

  • 作業環境測定士の衛生委員会委員=指名できる(任意)/指名しなければならない(義務)ではない
  • 「できる規定」を「しなければならない義務」に変える肢は誤り
  • 専属の産業医=常時1000人以上、または有害業務に常時500人以上
  • 衛生委員会の議長=総括安全衛生管理者等のうちから事業者が指名

理解度チェック

問題:作業環境測定を外部の測定機関に委託している場合、その測定を行う作業環境測定士を衛生委員会の委員に指名しなければならないか。

答えを見る

いいえ。法令は、作業環境測定を実施している作業環境測定士を衛生委員会の委員として指名することが「できる」と定めているだけで、指名は義務ではありません。外部委託の場合も同様に義務ではありません。

問題:衛生委員会の議長は誰がなるか。

答えを見る

総括安全衛生管理者、またはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者が議長となります。それ以外の委員は事業者が指名します。

出典

  • 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「作業環境測定士試験(労働衛生関係法令)令和5年8月」公表試験問題 問1・公表正答。
  • 労働安全衛生法第10条・第13条・第18条(総括安全衛生管理者・産業医・衛生委員会)、労働安全衛生規則の関係条文(e-Gov法令検索)。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。