令和6年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.13は、変電所において無効電力の調整を行う機器の特徴に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、その機器が回転機かどうかで性質が分かれることを問うものです。同期調相機は回る機械で、電力用コンデンサや分路リアクトルは静止した機器です。
回る機械は、発電機と同じように故障電流を出します。
正解:選択肢1(同期調相機は故障電流を供給することはない)
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| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 同期調相機は故障電流を供給しない | 回転機なので供給する。不適当 |
| 2 | コンデンサは段階的 | 入り切りでしか変えられない。適当 |
| 3 | コンデンサは電圧を下げられない | 進み無効電力を出すだけ。適当 |
| 4 | 分路リアクトルは騒音・振動が大きい | 変圧器より大きい。適当 |
最も不適当なのは選択肢1です。
同期調相機は、無負荷で回している同期電動機です。界磁電流を加減することで、進み・遅れの無効電力を連続的に出し入れできます。
ここで大切なのは、同期調相機が回転している機械だということです。回転子が回っていれば、内部に起電力があります。系統で短絡事故が起きると、この起電力から故障電流が流れ出します。
発電機と同じ理屈です。選択肢1は「供給することはない」と言い切っているので誤りになります。
3つの機器を並べて比べます。
| 機器 | 回転/静止 | 調整のしかた |
|---|---|---|
| 同期調相機 | 回転 | 進み・遅れとも連続的に調整できる。故障電流を供給する |
| 電力用コンデンサ | 静止 | 進みのみ・段階的(入り切り)。電圧を上げる方向だけ |
| 分路リアクトル | 静止 | 遅れのみ・段階的。電圧を下げる方向だけ |
選択肢2と3は、この表のコンデンサの行をそのまま述べたものです。コンデンサは進み無効電力を出す機器なので電圧を上げる働きしかなく、下げたいときは分路リアクトルを使います。また入り切りしかできないので、調整は段階的になります。
選択肢4の分路リアクトルは、鉄心にコイルを巻いた構造で、変圧器と似ています。ただし磁束を通す磁路にギャップが設けられているため、そこで振動が起きやすく、変圧器より騒音・振動が大きくなります。
この問題は、「回転機か静止機器か」を最初に分ければ選択肢1が浮きます。回っているものは故障電流を出す、と押さえておけば迷いません。
同期調相機が故障電流を供給するのはなぜか。
回転している機械で内部に起電力があるため、短絡事故が起きるとそこから電流が流れ出すからです。
電力用コンデンサと分路リアクトルは、電圧をどちらへ動かすか。
電力用コンデンサは上げる方向、分路リアクトルは下げる方向です。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月