令和6年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.2は、無限に長い直線状導体に電流I〔A〕が流れており、中心から10cm離れた点P1の磁界が10A/mであるとき、20cm離れた点P2の磁界の大きさHを求める問題です。
この問題は、直線状導体の磁界が距離とどう関係するかを分かっているかを問うものです。磁界は距離に反比例します。
電流の値も、真空の透磁率も出てきません。比だけで答えが出ます。
※ 問題の図そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(5A/m)
| 選択肢 | 値 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 2.5A/m | 距離の2乗に反比例させた値 |
| 2 | 5A/m | 距離が2倍なので半分 |
| 3 | 20A/m | 比例させてしまった値 |
| 4 | 40A/m | 距離の2乗に比例させた値 |
適当なのは選択肢2です。
無限に長い直線状導体がつくる磁界の大きさは、次の式で表されます。
H = I ÷ (2πr)
H:磁界の大きさ〔A/m〕 I:電流〔A〕 r:導体の中心からの距離〔m〕
分母に r があるので、距離が2倍になれば磁界は1/2になります。
比で解く
P1:r = 10cm で H = 10A/m
P2:r = 20cm = 10cm の2倍
H = 10 × (1/2) = 5A/m
電流Iの値が与えられていないのは、比を取ればIが消えるからです。同じ導体の同じ電流なので、変わるのは距離だけになります。
間違えやすいのは2乗に反比例させてしまうことです。点電荷がつくる電界や、2つの磁極の間に働く力は距離の2乗に反比例しますが、直線状導体の磁界は2乗になりません。
| 対象 | 距離との関係 |
|---|---|
| 直線状導体がつくる磁界 | 1/r(反比例) |
| 点電荷がつくる電界 | 1/r² |
| 2つの点電荷に働く力(クーロン) | 1/r² |
違いは広がり方にあります。点から出るものは球状に広がるので表面積が r² で増え、2乗に反比例します。無限に長い直線から出るものは円筒状に広がるので、円周の 2πr でしか増えず、1乗の反比例になります。
選択肢1の2.5A/mは2乗に反比例させた値で、この考え違いをそのまま用意した肢です。
無限に長い直線状導体がつくる磁界の式は。
H=I/(2πr) です。距離rに反比例します。
直線状導体の磁界が距離の2乗に反比例しないのはなぜか。
磁界が円筒状に広がり、円周の2πrでしか増えないためです。球状に広がる点電荷の電界とは違います。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月