令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.63は、使用者が労働者名簿に記入しなければならない事項として、労働基準法上 定められていないものを選ぶ問題です。事業場は常時30人以上の労働者を使用する事業場とされています。
この問題は、労働者名簿と賃金台帳の書き分けができるかを問うものです。引っかけの核心は、賃金の額を名簿に混ぜている点にあります。
お金の記録は賃金台帳のほうです。
正解:選択肢2(基本給、手当の額)
| 選択肢 | 項目 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 労働者の履歴 | 労働基準法第107条第1項に挙がっている |
| 2 | 基本給、手当の額 | 賃金台帳の記載事項。名簿ではない |
| 3 | 退職の事由 | 施行規則第53条第5号 |
| 4 | 従事する業務の種類 | 同第3号 |
定められていないのは選択肢2です。
労働者名簿の記入事項は、法と規則に分かれて書かれています。
労働者名簿に記入する事項
労働基準法 第107条第1項 → 氏名、生年月日、履歴 など
同法施行規則 第53条 → 性別/住所/従事する業務の種類/雇入の年月日/
退職の年月日及びその事由/死亡の年月日及びその原因
並んでいるのはその人が誰で、いつ入って、何をして、いつ辞めたかです。お金の話は1つも入っていません。
賃金の記録は別の書類で管理します。
| 書類 | 記録するもの | 主な内容 |
|---|---|---|
| 労働者名簿 | 人 | 氏名・生年月日・履歴・住所・業務の種類・雇入と退職 |
| 賃金台帳 | お金 | 労働日数・労働時間数・基本給、手当その他賃金の種類ごとの額 |
2つは別々に調製して保存することになっています。名簿にお金を書く決まりはありません。
問題文が「常時30人以上の労働者を使用する事業場」と条件を付けているのにも意味があります。
労働基準法施行規則 第53条第2項
常時三十人未満の労働者を使用する事業においては、前項第三号に掲げる事項を記入することを要しない。
第3号は「従事する業務の種類」です。30人未満の事業場では書かなくてよいとされています。
だから問題文が30人以上と断っています。この条件がないと、選択肢4も「定められていない」と読めてしまいます。
労働者名簿は、各事業場ごとに、労働者ごとに調製します。会社全体で1つではありません。
賃金台帳には何を記入するか。
労働日数、労働時間数、基本給や手当その他賃金の種類ごとの額などです。お金に関する記録は名簿ではなくこちらに書きます。
問題文が「常時30人以上」と断っているのはなぜか。
30人未満の事業場では「従事する業務の種類」を記入しなくてよいと定められているからです。30人以上なら記入事項に含まれます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月