令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.62は、漏電による感電の防止について、空欄に当てはまる語句の組合せとして労働安全衛生法上 正しいものを選ぶ問題です。
この問題は、電圧の呼び方と数値の2つを同時に押さえているかを問うものです。線間電圧ではなく対地電圧です。
数値は150 Vです。
正解:選択肢3(ア=対地電圧/イ=150 V)
| 選択肢 | ア | イ | 解説 |
|---|---|---|---|
| 1 | 線間電圧 | 150 V | 数値は合うがアが違う |
| 2 | 線間電圧 | 300 V | どちらも違う |
| 3 | 対地電圧 | 150 V | 条文どおり |
| 4 | 対地電圧 | 300 V | アは合うが数値が違う |
正しいのは選択肢3です。
労働安全衛生規則第333条第1項は、次のように定めています。
労働安全衛生規則 第333条第1項
事業者は、電動機を有する機械又は器具…で、対地電圧が百五十ボルトをこえる移動式若しくは可搬式のもの又は水等導電性の高い液体によつて湿潤している場所…において使用する移動式若しくは可搬式のものについては、漏電による感電の危険を防止するため、当該電動機械器具が接続される電路に、当該電路の定格に適合し、感度が良好であり、かつ、確実に作動する感電防止用漏電しや断装置を接続しなければならない。
「対地電圧」なのには理由があります。感電するのは大地と体の間に電圧がかかるからです。
2つの電圧の違い
線間電圧 電線と電線の間の電圧
対地電圧 電線と大地との間の電圧
人は地面に立っています。触れた電線と足の下の大地との間の電圧、つまり対地電圧が体にかかります。
三相200 Vの回路を例にすると、違いがはっきりします。
| 回路 | 線間電圧 | 対地電圧 | 装置が要るか |
|---|---|---|---|
| 単相100 V | 100 V | 100 V | 要らない |
| 三相200 V(非接地) | 200 V | 200 V | 要る |
現場で使う三相200 Vの可搬式の電動工具には、この装置が要ります。溶接機やコンクリートカッタなどです。
もう1つ、水などで湿った場所や鉄板の上で使う場合も対象です。電圧に関係なく、こちらは条件だけで要ります。
湿った場所が危ない理由
体と大地の間の抵抗が下がる
↓
同じ電圧でも流れる電流が大きくなる
↓
100 V程度でも致命傷になりうる
第2項には、この措置が難しいときの代わりの方法も書かれています。機械の金属部分を確実に接地して使うという内容です。
なぜ線間電圧ではなく対地電圧で決めるのか。
人は地面に立っているので、触れた電線と大地との間の電圧が体にかかるからです。感電の危険は対地電圧で決まります。
電圧が低くても装置が要る場合はあるか。
あります。水などで湿潤している場所や鉄板上、鉄骨上などの導電性の高い場所で使う移動式・可搬式のものは対象です。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月